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30年で進んだドライアイ研究…セルフケア目薬で“やってはいけないこと”

2023/05/11
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「“温罨法”といって、温かいおしぼりやタオルを閉じた目の上に置いて温める方法です。市販のホットアイマスクなどを利用する手もありますが、目の乾きや疲れを感じたときにこれを行うだけで、ドライアイの解消や予防に役立ちます」

 こうしたセルフケアをしてなお症状が改善しないときは、眼科を受診することになる。

近年導入された新しい手術法も

 従来は、目の縁にある「涙点」という涙の排出口に栓をして、涙が目の表面に滞留する「涙点プラグ術」という手術が主流だった。しかし近年、新しい治療法も導入されている。「IPL(Intense Pulsed Light)」と呼ばれる治療だ。

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「マイボーム腺の機能低下で目が乾く人に適した治療です。特殊な光線をまぶたの上と下に当てて、マイボーム腺から涙の分泌を促します。

 IPLは従来から美容外科などで皮膚の下の不要な血管を消して皮膚を若返らせる治療に使われてきた技術。アメリカでこれがマイボーム腺の機能改善に役立つという研究報告があり、日本でも承認されたところです。

 健康保険が適用されないので自由診療になりますが、従来の治療で十分な効果が得られなかったケースには有効な治療法です」

 東邦大学医療センター大森病院では2020年から導入し、重症のドライアイ患者で治療成果を挙げている。

 

 ドライアイだと思っていたら、別の原因で目の異常を起こしていることもある。シェーグレン症候群のように「全身の水分が減少する病気」のこともあるし、デモデックスという“ダニ”がまつ毛の根元に棲みついて悪さをしていることもある。

 セルフケアを試してみて、それでも改善しないときには、ためらわずに眼科医を受診してください。

30年で進んだドライアイ研究…セルフケア目薬で“やってはいけないこと”

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