遠慮しない五男が、夏休みにアメリカに短期留学へ
元基(五男)が大学生の頃、夏休みにアメリカに短期留学したいんだと言ってきたんです。親バカなので「え! すごいじゃん。大学で選ばれたの?」って聞いたら、「いや違う。ただ行きたいんだ」って。ズゴーって感じですよ。
兄弟がたくさんいるから、遠慮とかするのかなと思ったら大間違い。ただ行きたいからお金出してって。そのお金は工面して渡しました。せっかく留学行ったんだから、アメリカかぶれして帰ってくるかなと思ったら、キョトンとした顔で帰ってきて、「お母さん、楽しかったよ。ありがとう」とかもないんです。
夫が仕事でシンガポールに出張に行った時は、かぶれて帰ってきたのに、お前はかぶれないのかよって思いましたよ。
大学院に行ってからも、教授の鞄持ちでアメリカに行くから「かあちゃん、大学が半分出してくれるから半分だして」って。またかよって思いましたけど、出しましたよ。子どもはお金がかかるものなので、しょうがないって腹を括って、できる限りのことはしてきましたね。
――子どもたちのお小遣いはどうされていたのでしょうか。
千惠子 年俸制です。お正月にお年玉と通帳をセットで渡していました。使いたい分は残して、あとは通帳に入れる。必要な時はそこから出して使う。親はお金の管理ができるようになってほしいから色々言うけど、結局できない子はできないですよね。その子その子によって使い方が違う。それも個性です。
子どもが巣立ったと思ったら、今度は孫
――今はみなさん巣立って、お母さんは一人暮らしですよね。金銭的にも体力的にも当時とは違いますか。
千惠子 子どもが巣立ったと思ったら、今度は孫です。お正月に孫とお嫁さんにお年玉とお年賀を配って……。それに今はリン(愛犬)の子育てもあるし。母の介護だってこの先もあるだろうし。いつになっても何かしらはありますよ。
でも自分の時間ができたので、数年前からフラダンスを始めました。月に何度か教室で練習して、発表したりしています。
子どもたちも自由なので、帰っておいでと言っても「そのうち帰るよ~」って。元気ならいいんですけど、子どもたちの近況はTV見て、知るからね(笑)。
写真=山元茂樹/文藝春秋
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