『美少女戦士セーラームーン』の月野うさぎ役で名を響かせ、一躍人気声優になった三石琴乃さん。最近では『リコカツ』をはじめTVドラマにもレギュラー出演し、2024年に放送される大河ドラマ『光る君へ』で時姫を演じることも発表され、活動に新たな展開を見せている。
インタビュー後編では三石さんに「声優と実写作品を演じる時の違い」や「作品への意気込み」について教えてもらった。(全2回の2回目/前編を読む)
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初めてだらけのドラマ撮影
──2021年には『リコカツ』で主人公の母親・水口美土里役で初のTVドラマレギュラー出演、『Get Ready!』ではエキセントリックな占い師役に挑戦しています。そして来年には大河ドラマ『光る君へ』が決まってますね。実写作品への出演は今後も増えていくのでしょうか。
三石琴乃(以下、三石) 狙って増やそうとしているわけではないんですよ。影の存在(声優)に憧れて、そこに美徳を感じてやってきました。ただ、矛盾していますが、舞台活動は好きなんです。養成所仲間と劇団活動したことが、今の私を形作っているので、そう考えると、実写も(活動範囲として)無くはないのかなと。プロデューサーの熱意も凄くて「じゃあやってみよう」と受けたのがきっかけでした。
──お芝居をする上で声優、舞台、ドラマの違いは?
三石 根っこの部分は同じで、表現方法が違う。舞台は客席に声が届かないといけないから、発声が大切。動きや表情もデフォルメして遠くの席にも伝わるようにします。
ドラマはフレームが命。カメラフレームの中で他の俳優とかぶらないような位置に立って、映り方にも気を使いますね。セリフも、声優仕事の時と同じしゃべり方だとトゥーマッチになるのが怖いから、距離感近めで腹式呼吸は使わないよう現場で臨んでいました。
『Get Ready!』の占い師・POC役では、リアルにやるより浮いた演技の方がいいだろうと動きも声も大袈裟にしていました。下山田譲役の藤原竜也さんと一緒のシーンで、藤原さんは声のボリュームを全然出してなかったのに、テレビで見るとすごくいいんですよ。これがドラマ撮影における役者の一つの技術なのかなって。
──役者の中には、現場が終わっても演じた役が抜けきらないこともあると聞きます。三石さんの場合はどうですか?