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宝塚「性加害」報道の演出家が歌劇団を提訴した

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会話の大半は演劇についてだったが、時には冗談も言い合う間柄に

「週刊文春」で報じられた「セクハラ」発言は、いつ・どんな場面で発した言葉なのか、いくつか明確に記憶があるという。例えば、「君のことを犯してしまうと思う」は、8月、音楽制作が深夜2時まで続いた或る夜の会話がもとになっていると振り返る。

〈この日もAは迎えに来てくれ、2人で軽く食事をして私の滞在先のホテルに着いたのは深夜3時過ぎ。車を降りようとしたとき、Aとこんな会話をした。「先生、明日は何時ですか」「朝イチで打合せがあるから、始発の飛行機で帰るよ」「お迎えに上がります!」「いいよ、タクシーで行くから」「いや大丈夫です!」20時間近い音楽制作後の、真夏の熱帯夜である。私の疲労は極限に達し、迎えに来るの来ないの、そんな押し問答をする体力も気力も残っていなかった。閉口した私は思わず、「大丈夫じゃないやん。君が全然寝られへんやん。それやったらもう泊まっていき。でもベッドひとつしかないから、犯すかもわからへんで」と冗談めかして言った。それで互いに大笑いとなり、ようやくAは帰って行った〉

 原田氏は、タイミングが合えば、A氏を食事に誘って演出助手時代の経験談を話し、譜面読みや音出しのコツなどを伝授したという。A氏との会話の大半は演劇についてだったが、打ち解けるようになるにつれ、時に冗談も言い合う間柄に。A氏も、自身の性事情など、下ネタを自ら進んで話題にすることがあった。

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「恋愛感情や性的欲求を抱いたことは一度としてない」

〈私の発言として報じられている「1週間に何回(自慰を)するの?」などは、そうした猥談の中の言葉だが、性行為の要求は身に覚えがない。とはいえ、彼とは冗談で下ネタを言い合える関係だと勘違いしてしまった。演出家と演出助手の関係を考えれば後輩に対してふさわしくない言葉だったと反省している。ただ、明確に否定したいのは、週刊文春誌上の「何度もホテルに誘い」「一緒に裸で寝よ」といった言動を、常習的に繰り返したとする部分だ。Aに対して恋愛感情や性的欲求を抱いたことは一度としてない。当然、指一本触れたこともなければ自宅に入れたこともない〉 

 9月に入団したA氏は、原田氏が演出を務める『蒼穹の昴』の演出助手に入りたいと、頼み込んできたという。この頃も、A氏は「色々な方が、僕の師匠が原田先生であることを認知していただいているいみたいで嬉しかったです」「僕は原田先生の演出秘書です」などと、原田氏を慕っている様子がLINEなどから窺える。その後、A氏は別の制作現場に演出助手として加わり、深夜まで稽古場の準備に追われていたようだ。