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宝塚「性加害」報道の演出家が歌劇団を提訴した

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 結局、懲戒委員会が行われることなく、原田氏は12月9日付で歌劇団から阪急電鉄に異動することとなった。しかし、異動後もA氏側が納得することはなく、手記で〈12月13日の面談では劇団幹部から信じられない言葉が次々と飛び出した〉と、退職までの過程を詳細に明かす。

 また、彩風咲奈と朝月希和へのパワハラ報道についても、〈事実無根、大いに心外〉とし、稽古の様子などを記している。  

宝塚歌劇団からの回答は得られず

 4月7日、原田氏は宝塚歌劇団を提訴した。

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〈やむなく私は司法の手を借りて復籍を求めることにした。愛する宝塚を相手に訴訟を起こしたが、忸怩たる思いがあるのも事実である。しかしこのまま何もなかったことには出来ない。多くの演劇関係者や友人たちからは「そこまでして宝塚にこだわる必要はない」と諭された。だが宝塚は唯一無二の、何ものにも代え難い世界である。だからこそ宝塚歌劇団は出演者やスタッフに、私が受けたような退職強要を行う組織であってほしくないと心から願う〉

 宝塚歌劇団に、原田氏の退団の経緯について尋ねたが、回答はなかった。

大劇場 ©時事通信社

なぜ原田氏は宝塚歌劇団から“追放”されたのか

 またA氏の母親は「文藝春秋」編集部の取材に次のように答えた。「深夜運転はETCカード履歴で、原田さんの発言は録音で確認しています。最初の段階で原田さんからきちんと謝罪があれば良かったのに、『反省するどころか横柄な態度を取っていた』と聞き、何なのと。謝罪が遅すぎました。劇団に対して『文春に言う』と話したかもしれませんが、執拗には言っていません。息子は現在も休職中です。劇団は手厚い復帰プログラムを作ってくれています」

 なぜ、原田氏は宝塚歌劇団から“追放”されたのか。「宝塚『性加害』の真相」と題した原田氏の手記は、5月10日発売の「文藝春秋」6月号で19ページにわたって掲載されている。(「文藝春秋 電子版」では5月9日に公開)。

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宝塚「性加害」の真相
宝塚「性加害」報道の演出家が歌劇団を提訴した

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