1ページ目から読む
3/4ページ目

YouTubeそのものはオワコンじゃない

――昨今ではYouTube業界が人気的に厳しいという声も聞かれます。

三谷 それはYouTuberが淘汰されてるんでしょう。2017年から2019年くらいでブワッと人気が上がった人たちの中で「完全なトップ集団」じゃなくて「第2集団」くらいの人たちがどんどん落ちていってる現象だと思います。

――では三谷さんとしては、自信を持って今まで通りYouTubeをやっていくと。

ADVERTISEMENT

三谷 そのつもりではあります。あと、もう1つの柱としてリアルイベントの集客をして、コンテンツを作っていくことを考えています。テレビだとスポンサーがいるからできないことがいっぱいある。「街録チャンネル」なんて、ナショナルクライアントみたいな企業がスポンサーにつくことは絶対ないと思うんです。それくらい過激な内容なので。でも今まで通り「スポンサーはつかない」という覚悟さえ持ってれば、誰からも文句を言われることなく、自分の裁量で好きなようにコンテンツが作れる。

――「街録チャンネル」では動画配信だけでなく、年1回大規模なリアルイベントをやっていく予定だとか。

三谷 はい。他にも、小さいトークイベントは結構まめにやってます。あと札幌とか福岡とか広島といった地方でもトークイベントをして宿泊費と交通費を稼ぎながら、そっちに住んでいる人を取材する、というのを2カ月に1回くらい。そうすれば、行った先でいろんな人に会えるし、ファンを増やしていくことにもつながります。

大きな会場で“生のリアクション”が欲しい

――5月に豊洲PITで行うのはどんなイベントなんですか。

三谷 僕はそもそもバラエティ番組のディレクターだったんで、その収録みたいなイメージですね。僕が編集して用意したVTRがあって、それに何も知らされていないお笑い芸人の東野幸治さん、平成ノブシコブシの吉村崇さん、歌手の大森靖子さんが対応してくれるっていう企画。大森さんには歌も歌ってもらって。盛りだくさんのなんでもあり、というバラエティです。

 

 テレビのお客さんがいるような番組だと、VTRを見て笑ったりする反応があって、ウケると結構気持ちいいんですよ。YouTubeチャンネルでコメントをいただくのは、それはそれでメチャクチャ嬉しい。「こんなことを感じた」と具体的な感想が並んでいるのは、情報量も多いし。でもその一方で「ドカン」とウケる気持ちいい瞬間が、YouTubeで動画投稿をしてるだけでは味わえないんですよね。

 だけど今回のイベント、1200人キャパなんですが、チケットがなかなか完売しないんです。チャンネル登録者数が多いのと、イベントで集客ができるということは全然違うと、まざまざと思い知らされているところです。

――111万人もの登録者があれば完売しそうな気がしますが。

三谷 そう思いますよね。今、毎日のように「チケット買ってください」ってYouTubeライブをやっています。そういうことをがんばり続ければ、満席になるかもしれないとも思っているんですが。1日10枚ずつくらい、じわじわ売れてはいるんですけど、毎日数字と向き合ってます。恐ろしいことに、売っても売っても、まだまだ売らなきゃいけない。

 自分で企画したんだろって話なんですけど(笑)、平日夜ですしね。去年も大きめの会場を借りてイベントをやったんですが、公演の2週間前には完売しました。でも、今年はキャパを3倍近く広げたので。クラウドファンディングでも協力いただいてるので、満席になれば赤字は免れるんですが……。というか満員で成功させて、また来年以降も、ずっとやっていきたいんです。