文春オンライン
【歌舞伎町2023】「ドバイ“王族案件”で音信不通に」「アメリカ売春部屋に強盗が入った」“海外出稼ぎ売春”に堕ちた女性を待っていた過酷な現場《SNSで晒されるケースも…》

【歌舞伎町2023】「ドバイ“王族案件”で音信不通に」「アメリカ売春部屋に強盗が入った」“海外出稼ぎ売春”に堕ちた女性を待っていた過酷な現場《SNSで晒されるケースも…》

genre : ニュース, 社会

note

 4月27日、新宿歌舞伎町のホストクラブに勤務する、源氏名「森のくまさん」こと江川誉容疑者(25)が逮捕された。容疑は売春防止法違反。ホストクラブの女性客であるA子さん(23)に、“立ちんぼ”行為をそそのかした疑いがかけられている。

 これまで「文春オンライン」は、“歌舞伎町女子”が被害に遭った事件や、彼女らがさらされている危険な実態をたびたび報じてきた。その根にあるのは、ホストやコンカフェ店員などへの度を越えた貢ぎ行為だ。彼女らは時として強要され、あるいは自ら、“推し”に多額の金を貢ぐために違法売春などに手を染め、身を持ち崩している。

 歌舞伎町に蔓延る女性を標的にした危険なビジネスとは――。過去の記事を再公開する(初出:2023年4月17日。肩書、年齢は当時のまま)。

ADVERTISEMENT

 アジアやアメリカなどにある外国人向けの海外風俗で短期間働く“海外出稼ぎ売春”をする日本人女性が増えている。中国人富裕層などを相手に、日本の風俗では難しいような大金が稼げるという評判が広まっているのだ。

 そこは、ホストクラブや整形に多額の金を貢いでいる女性たちが身を投じているのだという。彼女らは自らの意思によって海外で出稼ぎ売春をしているわけだが、多くの国で売買春は違法であり、そこには重大なリスクが潜んでいる。

A子さんが“お持ち帰りあり”の高級キャバクラ「KTV」で働いていたカンボジアの首都プノンペン ©iStock.com

女性よりも客の方が圧倒的に偉い中国人コミュニティ

 この現状に「危険すぎる」と警鐘を鳴らすのは、カンボジアやマカオ、アメリカなど8カ国で出稼ぎの経験がある、20代半ばの日本人女性Aさんだ。

 Aさんが実際に経験した海外出稼ぎ売春の実態は「#1」で詳報した通り。そこでも語られているが、海外では中国人客らの“お客様ファースト”主義や、間違った日本人女性のイメージによって、日本国内での売買春よりもはるかに危険な環境なのだという。

現地ではコンドームなど、衛生用品が支給される

「日本であればヤバい客がきた場合、店のスタッフが対応して出禁にしたり追い出したりと対応をしてくれるじゃないですか? でも中国人コミュニティでは女性よりも客の方が圧倒的に偉い。

 アメリカで客にひどい扱いをされ、中国人ママに助けを求めても『気にしないで』ぐらいしかいってくれない。女性が良いサービスをしたのに、客が『こいつはダメだ』といった場合、ママは客の肩を持つんです。客が『サービスが悪い』といって、金を払わず逃げることもありました。

 なかには日本のAVを見過ぎて、日本人女性はお尻を叩くスパンキングや首絞めプレイがみんな好きなんだと勘違いしている人もいます。でも、それで嫌だと客に言えば、稼げなくなるのは自分だし、言葉も話せないのでぐっと我慢している子がほとんどです」

「警察も“敵”」海外売春の顛末

 見知らぬ土地で頼る人がいない女性たち。だからといって警察にも頼ることはできない。売春が認められていない国では、警察官も女性たちの“敵”なのだ。

「もともとが違法ですし、最近香港でインコール(女性の部屋に男性が入り性的サービスを受ける)をしていた子が、客に扮した警察官に接客してしまい、現行犯逮捕で2週間勾留され、強制送還されてしまいました。

A子さんの知人がアメリカで売春をしていた部屋に、強盗がはいった

 ちなみに私がニューヨークの店を去った後ですが、同じ店舗で働いていた女性が強盗に入られたという話も聞きました。今はそもそも日本人女性が多すぎて、1日お茶を引いて(客がつかず)稼げないこともざらにあるようです」

 契約期間が終わり、いざ帰国という段になっても困難は続く。リスクを冒してまで得た大金を日本にどう持ち帰るかという問題だ。

関連記事