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「200~300万円をブラジャーに隠して税関突破」

 Aさんの例では、海外から日本に給料を送ってもらう場合には中国人ママに手数料が5%、店を紹介してもらったエージェントにも5~10%の手数料がかかったという。仮に1000万円を稼いだ場合、100万円以上の高額な手数料を2者に納めなければならないわけだ。

 そうした費用を最小限にしたいと、現金を隠し持ち、税関を突破しようとする女性たちも多いようだ。

「キャリーケースに現ナマで1000万入れて出国しようとしたらバレて、出国禁止になった子がいると聞いたことはあります。200万~300万円であれば、ブラジャーや下着の中にドル札を入れ込む子もいますね。これはさすがに税関職員も遠慮するのか、今のところバレた話は聞いたことはありません」

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 税関で多額の現金が見つかれば没収されてしまう。しかし、女性たちがここまでするのは、実際に送金を依頼した中国人ママが音信不通になることもあるからだという。

ニューヨークでは就寝用と業務用の2つのベッドがあるツインルームでA子さんは暮らしていた
アメリカ出稼ぎ時の“業務用”のベッド

「金の持ち逃げ、杜撰な渡航管理」ヤバすぎるエージェントたち

 日本にいるエージェントも最後まで信用できるかはわからない。Aさんも帰国直前までは頻繁に連絡をとっていたものの、いざ金をもらうため空港で待ち合わせをする段になり、急に音信不通になったことがあると話す。

「事前にカフェや事務所などでエージェントと面接し顔がわかればいいですが、TwitterやWeChat(中国のメッセンジャーアプリ)でやり取りしただけの場合、日本ですれ違っていたとしても気づきませんからね……。

 ただ出稼ぎする女性たちのコミュニティも狭いので、後になって別の女性から『そのエージェント、よく●●で飲んでるよ』といった情報を得て、店に凸り、金を取り戻したという執念の回収劇も聞いたことはあります(笑)」

 エージェントの渡航管理もずさんなようだ。エージェントの話を信じて渡航したはいいものの、当初聞いていた条件とは違い、危険を強いられたケースもあるという。

ミャンマーの農村※写真はイメージです ©iStock.com

「友人がタイとミャンマーの国境のある村に行った際には、事前にKTVと聞いていたのにインコール(客を自分の部屋に招いて売春する)だったという話もありました。部屋も刑務所のようで、ぼっとん便所のトイレとシャワーが併設されていて、部屋はゴキブリだらけの過酷な環境だったとか……。

 着いた初日に『話が違う』と帰ろうとしましたが、山の奥地にあってなかなか戻れないし、エージェントは『最初からインコールって言ったよ』と言い出した。その店は初めての契約店で、エージェントも実態は知らなかったはずなので、1人だけ先に送り、現地の様子を窺おうと思ったのでしょうね。結局、その子は着いてすぐ高熱を出し、仕事もできず、一銭ももらえないまま10日後ぐらいに帰国しました」