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どうしてイヤホンがそこまで高額になるんですか?

――どうしてそこまで高額になるんですか?

岡田 イヤホンの中に入っているスピーカーの数が多いんです。一般的なイヤホンは片耳にひとつだけスピーカーが入っています。でも「ELYSIUM」は3種類のスピーカーが4つも入っています。もっとたくさん入っているモデルもありますよ。でもたくさんスピーカーを入れれば、それだけでいい音を聴くことができる、というわけではありません。

 スピーカー同士の相性や組み合わせを考えてイヤホン内部のスピーカーの位置を決めないとポテンシャルを活かしきれないんです。

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 また高額のイヤホンはデザインも美しくハンドメイドです。購入者の耳の形に合うように型をとりオーダーメイドなので、どうしても高額になります。意外と知られていないのですが、人の耳の形は指紋と同じくらい多種多様で大量生産できないのも、高額になる理由の一つです。

エリジウムの内部には、小さなスピーカーが4つも。©文藝春秋 撮影/三宅史郎

――岡田さんがお持ちのイヤホンは有線が多いんですね。

岡田 そうですね。ワイヤレスは音を圧縮してデータをイヤホンに送っているので、音質という点ではどうしても有線に敵いません。

また「寿命」という点でも有線イヤホンは優れています。有線イヤホンの寿命は結構長くて僕が大学時代に購入した10年以上前のものでも、まだまだ使うことができます。ケーブルは錆びだらけになっていますけれどね。弊社に持ち込まれるトラブルの多くはケーブルに関することが多くて「接触が悪くて聞こえない」「切れてしまった」というものが多いです。

 一方ワイヤレスの寿命はだいたい2,3年でしょうか。今はもう少し伸びている感じがしますけれど、だいたいそれくらいです。スピーカーがダメになる、というより、スマートフォンと同じようにバッテリーがもたなくなり使えない、というケースが多いですね。

――たしかにバッテリーが切れるのが怖くて有線からワイヤレスに変えられない、という声はよく聞きますね。

岡田 はい。コロナ禍でリモートワークやリモート会議が一気に増えて、ビジネスマンの方々にも多くお越し頂くようになったのですが、やはり「会議中に聞こえなくなるのは避けたいから、有線イヤホンを購入したい」というお客様は多くいらっしゃいます。