スマホからイヤホンジャックが省かれるようになったことで、ここ数年で一気に普及したのが、Bluetooth接続のイヤホンです。なかでも一般に「TWS」(True Wireless Stereo)と呼ばれる、左右のピースが独立した完全ワイヤレスイヤホンは、ケーブルが絡まることもなく人気の高いアイテムです。

 そんなTWSの中で一昨年注目を集めたのが、ダイソーから発売された、わずか1000円(税別、以下同)の完全ワイヤレスイヤホンです。1万円以上が普通だった当時の完全ワイヤレスイヤホンの中でその価格は衝撃的で、多くの店舗では品切れが続出。筆者も当時、複数のショップを時間をかけてチェックしたものの、入手を断念せざるを得ないほどの人気ぶりでした。

 それから約2年が経った現在では、さすがに当時ほどの価格のインパクトはないものの、人気ぶりは依然として健在で、後継モデルを含めて4つのモデルが、ダイソー店頭で販売されています。今回はその4モデルを実際に比較し、その違いをチェックします。

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2023年1月現在、ダイソーでは4種類もの完全ワイヤレスイヤホン(TWS)が販売されています

その1:音質がワンランク上の初代モデル「TWS001」

 まず最初に紹介するのが、初代にあたる「TWS001」です。発売直後に品切れが続出したこのモデル、現在ではカラーバリエーションも追加されるなど、2023年1月現在も依然として主力製品として販売されています。

 機能は完全ワイヤレスイヤホンとしてはごく一般的で、側面のリモコンボタンを使うことで、一時停止や再生、早送りや早戻し、音量調整、電話の受話・終話に加えて、音声アシスタントの起動や着信拒否まで行えます。物理ボタンはかなり硬く、決して押しやすいとは言えませんが、機能面で不足はありません。充電器を兼ねたケースが後述する3製品よりもスリムで、ポケットの中で邪魔になりにくいのも利点です。

 また音質は1000円とは思えないほどクリアで、この価格帯のイヤホンが苦手としている低音もしっかり出ます。イヤーピースは1種類しか入っておらず、ピースが合わない場合は市販のピースを購入して交換する必要はありますが、これは後述する3製品も同様なので、ハンデにはなりません。今回紹介する4製品でもトップクラスの音質であることが、初代モデルながら未だに現役である理由とも言えます。

 気をつけたいのは遅延があることで、音楽を聴くぶんには構わないのですが、動画を観るのにはあまり向きません。もうひとつは接続性で、多くの人が行き交うターミナル駅などでは、接続が頻繁に切断されますので、通勤や通学で使う場合には要注意です。これらの傾向は後述の3製品よりも強く、こうした点を割り切れるかどうかが、大きなポイントとなりそうです。

「TWS001」。現在はカラーバリエーションが追加され別パッケージも存在します
ピースは左右ともに同一形状。ほかの3モデルに比べると厚みもなく小ぶり
ケースに収納した状態。ポートはUSB microB
充電中はピースの先端が赤く光ります。残量表示機能はありません