今年3月8日に、12年間所属したAKB48を卒業した武藤十夢さん(28)。4月19日には、待望のファースト写真集「とむもよう」を刊行。6月30日には、ヒロイン役を務める映画『断捨離パラダイス』が公開される。
武藤さんは2011年、高校1年生の時に第12期AKB研究生オーディションに合格。2014年にメジャー38作目『希望的リフレイン』で初のシングルの選抜メンバーとなった。アイドル活動の傍ら、学業にも力を入れてきた。2020年には成城大学大学院を修了、合格率5%の超難関と言われる気象予報士にも合格している。
12年間過ごしたグループを卒業して1カ月あまり。新たな挑戦を始めた武藤さんが、AKB時代を振り返った(全2回の1回目/#2へ続く)。
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――AKB48を卒業されてから1カ月半が経ちました。実感はどうでしょうか?
武藤 正直、あんまり湧いていないんです。辞めて2日後にはメンバーに会っていましたし、今でも普通にご飯行ったりとかするので。でもみんなが新曲とか、次のライブの話をしだすと、「ああ、もう自分は辞めたんだな」って思ったりします。あと、告知の動画撮影で、ごく自然に「はい、AKB48の武藤十夢です~!」って言っちゃって、やり直し!ってなる時も、辞めたんだな!って感じるかも。
――12年間慣れ親しんだ「AKB48」という肩書きがなくなることは寂しくありませんでしたか?
武藤 そうなんですけど、私、すでに肩書きだらけなんですよね(笑)。気象予報士、防災士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)……。だから、「AKB48の」とは言えなくなっちゃいましたけど、「タレントの武藤十夢」でもいいですし、わかりやすかったら「元AKBの武藤十夢」でもいいですし、気象予報士でも何でもいい。やっていくうちに自ずと決まってくると思いますし、今はそれでいいかなと思っています。
最難関のオーディションでは「ドラえもんの歌を歌って…」
――少し遡りますが、そもそも武藤さんがAKB48のオーディションを受けようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
武藤 芸能のお仕事やってみたいなという時に、学校ですごくAKB48が流行っていて。ダンスも好きだったので、AKBみたいに毎日歌って踊れるステージがあって、それを見てくれるお客さんがいる環境ってすごく良いなって思ったのがきっかけでした。それに、当時、先輩方がアイドル活動と同時に、女優やモデルとしても活躍していて、幅広い活動ができることも楽しそうだなと。それで、AKBに応募してみました。
――武藤さんが受けられたのが第12期研究生オーディション。ちょうど「国民的アイドルグループ」と呼ばれ始めた頃で、当時は最多応募数を記録したとか。
武藤 そうなんですか! 知らなかったです(笑)。書類審査、面接、歌とダンスの審査があったんですけど、歌は自由選曲だったので、島谷ひとみさんの「YUME日和」を歌いました。アニメ「ドラえもん」の主題歌だった曲です。なんかAKB歌ってもつまんないかな~って(笑)。あとは他の人と被っても嫌だなと思ったんです。「YUME日和」は少し前の曲だったんですが(2003年リリース)、自分の好きな曲で勝負しました。
――手応えはありましたか?