出来上がった作品を観ていただけたら分かると思いますが、今作にはジャッキー・チェンやマーベル映画の色が濃く出ています。ジャッキー・チェンの作品は父の影響で小さい頃に観ていて、彼の素早いアクションが頭の片隅にではありますがしっかりと残っていました。マーベル映画も大好きで、特に「アベンジャーズ」シリーズは何度も観ています。だから演じていても「これ、ジャッキーだ!」「アベンジャーズだ!」と思うシーンが多く、思わず興奮してしまいました。
父との遊び
僕のアクションの原点は、9歳の頃に習い始めた極真空手と、父が立ち上げた「ジャパン・アクション・クラブ(JAC)」のメンバーの存在です。極真空手は、幸いなことに地元の道場にとてもいい師匠がいたので厳しい稽古に耐えることができ、ロサンゼルスの大会で優勝もしました。今作でも、アクションシーンには空手の経験が大いに役に立ったと思います。
そして僕にとって家族のように大切なのが、JACです。小さい頃は、父と過ごすよりもJACのメンバーと過ごすことの方が多いくらいだったかもしれません。
1970年に設立されたJACは、父がアクション俳優やスタントマンの育成のために設立した組織で、その理念の通り、真田広之さんなど世界に通用する俳優をたくさん出しています。
日本に滞在していた時は、僕もJACでアクションを習うことがありました。特に現代表のニッシー(西田真吾氏)は、今でも父親代わりのような存在です。
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新田真剣佑さんの「父・千葉真一の遺志を継いで」全文は、月刊「文藝春秋」2023年6月号と、「文藝春秋 電子版」に掲載されています。
父・千葉真一の遺志を継いで