警視庁小松川署で多くの警察官に囲まれるようにして歩く男。学校近くに住む男性を殺害した疑いで逮捕された東京・江戸川区立松江第五中学校の教師、尾本幸祐容疑者(36)。
5月11日正午過ぎ、検察に身柄を送られた。
午後1時過ぎには、尾本容疑者の勤務先の中学校に警視庁の捜査員らが家宅捜索に入った。
家宅捜索は生徒が授業を受けている最中のことだったが、校内は静まりかえっていた。
住宅ローンにギャンブルや投資…借金数百万円
尾本容疑者は今年2月、江戸川区一之江の住宅で、この家に住む山岸正文さん(当時63)の顔や首などを刃物で十数回刺すなどして殺害した疑いが持たれている。
さらに捜査関係者への取材で明らかになったのが、尾本容疑者の借金問題。
尾本容疑者は8年前新築で購入した住宅で、妻と子供3人と暮らしていた。
捜査関係者によると、事件当時尾本容疑者は住宅ローンのほか、ギャンブルや投資などで数百万円の借金があったという。
今年2月の事件当日、殺害された山岸さんの住宅から約1km離れた場所の防犯カメラ映像には、上下黒っぽい服装に深々とフードをかぶった尾本容疑者とみられる人物が、山岸さんの自宅方向に歩いている姿が映っていた。
こうした防犯カメラの捜査から尾本容疑者の関与が浮上、逮捕に至ったという。
事件後、山岸さんの自宅前で現場検証する様子を近隣住民が撮影した画像には、ブルーシートの上に置かれたカーペットに血のようなものが付着している様子が映っていた。
山岸さんの死因は血液が喉につまったことによる窒息死だった。
「すごく子煩悩な方だなって…」
尾本容疑者を知る近所の人は、その印象について次のように話している。
近隣住民:
お子さんをすごくかわいがっていらしたので、何をするにもいつも一緒でした。上のお子さんが2人男の子だったので、よく3人で自転車で出かけたりとかしていたので、すごく子煩悩な方だなと思って見ていました
尾本容疑者は逮捕後の調べに対し、殺害容疑について否認し、その後黙秘しているという。
一方で、逮捕前の任意の調べには次のように話していたことがわかった。
尾本容疑者:(逮捕前の任意の調べに対し)
山岸さんに荷物を運んでほしいと言われ家に入ったことがある
警視庁は尾本容疑者が盗み目的で山岸さん宅に入った可能性があるとみて調べを進めるとともに、数百万円の借金との関わりなどについても詳しく調べる方針。
(イット! 5月11日放送より)