A氏は2015年の8月、銀座の貸し会議室での投資セミナーに講師として登場したX子とY子の様子をこう語る。
「参加者は私を含めて5人で、このうち4人は同じ航空会社の関係者でした。X子は派手なビジネスカジュアル、Yは地味目のスカートスーツと対照的な出で立ちでしたが、雰囲気や所作はCAらしい洗練されたものでした。『早期退職でもらったお金を含めて2000~3000万円くらい投資すれば、年に20%の利回りがつく。退職金を減らすことなく生活できます』という夢のような説明を受けました」
3000万円を入金したが、1円も返ってきていない
年に20%という利益は現実離れして聞こえるが、A氏は2人のことを信じてしまったという。
「恥ずかしながら、やはりY子の社内での知名度と信用度、そしてセミナーでの堂々とした立ち振る舞いを信じ切ってしまいました。まさか自分と同じ会社の元CAが投資詐欺をするなんて考えもしなかったのも事実です。Y子は『自分も投資している』とパソコンで自身の運用画面を見せてきたんです。800万円程度だったように記憶しています。ただ今思えば、本人たちも後ろめたいところがあったのか、紙の資料などは一切配付されませんでした」
A氏夫婦はスカイ社への投資を続け、7~8回にわたって妻は合計約1000万円、A氏自身は約2000万円の計約3000万円を入金した。
しかし2023年5月12日現在、そのお金は1円も引き出すことができなくなっている。次回では、スカイ社の投資の不思議な仕組みと、X子、Y子の“豪胆すぎる勧誘手法”をお伝えする。(#2に続く)