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 そしたら「種は大丈夫」だと。

潤雅 「種は大丈夫だけど、うちじゃ前例がないからわかりません」って言われたけど、検査をすればするほど「大丈夫ちゃうか」となってきて。

 そこから人工授精を10回くらいやりました。

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「人工授精は10回しましたけどダメで…」

――難しかったですか。

潤雅 人工授精は、1年くらいかけて10回しましたけどダメでした。受精を2回したんですけど、流産してしまって。人工授精を6回ぐらいやってみて、それでもダメだったら普通はそこでやめるんですけど、「もうちょっとがんばりたい」とお願いして続けていました。

 そのあと、2022年の9月に顕微授精で受精卵を移植したら、10月に妊娠がわかって。顕微授精の1回目で授かりました。自然な形で授かることができたら一番だなと思っていたんですけど、人工授精をやめたなら早いうちに顕微授精をやったほうがいいとのことで。

 よそから見ると「おじいさん、元気だね」といった感じかもしれないけど、すごく苦労して授かったんですよね。

写真=本人提供

潤雅 徹底的に話し合いもしました。すぐに顕微授精をやろうってなったけど、それって私のエゴなんじゃないかと。こっちは「私が産みたいだけだったら、もうやめよう」とか、塩さんは「やっぱり自分が先に死ぬ。子供が20歳になるまで生きているかわからない」とか、抱えている不安をバーッとぶつけ合って。

 最終的には「やっぱり、自分たちの子供がほしい」となって、そこまでいくと年の差とか考えなくなってました。

――前立腺を取っていたとのことですが、精子はどうやって採取されたのですか?

潤雅 前立腺を取ると、精液は膀胱に入ってしまうんですよ。自分で出すことができないので、どうやって出すのかが問題だったんですね。

 でも、尿をすると精液っぽいものも出ているらしいと。じゃあ、それを持っていけばいいんじゃないかって。

 前立腺肥大の人が手術で前立腺を取る場合、全摘すると尿を止められなくなるので一部を残すのですが、そこに精液が出る管もあると。本来は前立腺のなかに精液を出す管が通っていて、そこからポンプ的に押し出すんだけど、前立腺を取っちゃうとそれができずに精液は膀胱の中に行ってしまうんです。で、尿と混ざって出てくるんです。実際「あ、出てるな」ってのが目視できていて。

 尿をしたら、遅くても1時間以内に持っていけば元気な精子を取り出せると。

潤雅 クリニックから「早く持ってきてくれれば生きている精子がいるかもしれないし、1個でも生きていれば顕微授精も人工授精もできるので、尿混じりでもいいから持ってきてください」と言われて。持っていったら、生きた精子がたくさん取れたんですよね。

 この子が生まれたら、『コアライオン年の差Life』っていう私たちのYouTubeでそういう方法でも子供が作れるんだってことを説明しようって。

 僕らみたいな人たちって、絶対にほかにもいるはずなんでね。