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お腹にいる子に全エネルギーを注ぎ込んで

――コロナ禍がおふたりの結婚を進めたところはありましたか。

潤雅 2022年に入籍したんですけど、それはありますね。いつコロナになってもおかしくない。もし、コロナに感染して「もう最期」となったとき、配偶者じゃないと看取れないじゃないですか。しかも、高齢者のほうが重症化しやすいと言われていたし。そこを両親も心配していて、「籍を入れなさい」と言っていたんですよね。

――裕さんが「先に逝く」と話していましたが、年齢差があるだけに今後の健康面は気になりましたか。

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潤雅 「その時は、その時」って考えています。すでに老眼だし、向ける角度によって顔がちょっと揺れてしまうとか、腰が痛いってのは出てきてるから。そのたびに「人間って、そうやってガタがくるねんな」と思いますね。

 でも、もし同い年の人と結婚して、同じように年を取って、同じ頃にガタがきた時にはどうするのかなってことを考えるんですよ。35歳差という余裕があるからこそ、「もう動けへんくなった」となったら「ほんなら、体拭いたるやん」とできるかなって。

 結局、一番愛しい人がそうなった時には、どうにかしてあげたい気持ちがすごく大きくなるのかなと。私はそれも全部込みで一緒になりたかったから。どこか施設にお願いするってことじゃなくて「その時まで、家で一緒のほうがいいよね」みたいな話は結構するので。

写真=本人提供

 そのあたりもふくめて「あと何年」とかって考えはじめると、潤雅の年齢やったらそれなりにあるけど、僕の年やったらあんまりない。だけど、そんなんいちいち考えていたら、いまを楽しめない。どうやっていまを楽しむかということ、それと潤雅のお腹にいる子に全エネルギーを注ぎ込んでいく。

 これが僕らという夫婦にとっての愛の形なので。たしかに「この先、僕がどうのこうのってなったら」って話になることもあるけど、そのたびに潤雅は「ひょっとしたら私が交通事故で先に逝くかもしれん。そんなん一緒やん」とか言うんです。ならば、「いまをどう大切にするか」がすべてだなって。

「私は塩さんとの子供を産めるのか?」という不安があった

――出産予定日はいつでしょうか。

潤雅 5月20日です(編集部注:5月19日に女児を出産。母子共に健康だという)。

――お子さんを作ろうとした経緯を聞かせてもらえますか。

潤雅 私が子供好きで、家族が多い家で生まれ育ったので、母になる夢を捨てきれなかったんです。まず一緒に暮らすってなった時に、そこは重点的に話をしましたね。「音楽活動もやりたいけど、並行してクリニックにも行っておけへん?」って。

 とにかく「私は塩さんとの子供を産めるのか? 塩さんの体って、どうなんだろう?」って不安があったんです。塩さんは10年前に前立腺肥大の手術を受けていて、前立腺を3分の2ほど取ってるんですね。それで精子が出せないという話だったんですけど、現在の医学だったら種さえあればイケるかもという話もチラリと聞いていて。

 すべてひっくるめて調べてもらおうと、2020年の後半頃にふたりでクリニックに通い出したんです。私も排卵しない病気を持っていたので、その前からクリニックに通っていたので、そのクリニックに塩さんを連れて行ったという形で。