昔から「年上の女房は金の草鞋を履いてでも探せ」と言われるが、これまでは結婚を考えている世代の多くが、「同年代か、男性が年上」の組み合わせを理想としていた。しかし、今や多様性の時代であり、女性側が年上という年の差カップルも徐々に増えている。女性が年上で、かつ年齢が離れているカップルのリアルな現実を聞いてみた。

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35歳で10歳年下の男性と結婚

「私の周りには女性が年上のカップルはけっこういるんですが、みんなすごくうまくいってますよ。もちろん人にはよるけど、基本的に男の人って甘えん坊な部分があるから、なんでも奥さんに相談してくるし。こっちもなんかしてあげなきゃ、がんばらなきゃってなる。年下の夫と年上の妻ってすごく相性がよくて上手くいく気がします」

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 こう話すのは都内に住む40代の小川優子さん(仮名)。35歳の時に10歳年下の男性と結婚し、幸せな結婚生活を送ったという。現在は離婚してしまったというが、年下男性との結婚生活はどうだったのだろう。

「出会いは行きつけのバーで夫は20歳の大学生、私はジャズシンガーをやっていました。最初はダメな大学生と思っていたけど、社会人になったら意外とちゃんとして、そこで株が上がりました。結婚したのは出会ってから5年後くらいで、夫が新卒で就職した広告会社をやめたタイミングだったかな」

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 結婚を決めた際、10歳の年齢差は家族や友人たちにはどう受け止められていたのか。

「うちの家族は『へー良かったね』。向こうの親も『ありがとう』って、ごく普通の反応でした。若い子はけっこう尽くしてくれるし、向こうは『本気で好き』って思って付き合ってくれているから、逆に浮気もしないしベッタリになる。みんなそこを勘違いしてる気がします。若い男と結婚すると、すぐ向こうが浮気するケースを想像されるけど、むしろ私のほうが浮気しそうだって言われてました」

 日常生活の中でも、年の差婚だからこその楽しみがあったという。

「世代が違うから下の世代の音楽や流行とか自分の知らない新しいことを知れて面白かった。たとえば、ストリート系のファッションなんて私の世代にはなかったから。フジロックに夫とその友だちと一緒に行ったときとかもめっちゃ楽しかった。家でも自分が知らない音楽を聴いているし、観る映画も全然違う。そういう意味でも絶対に年下の夫や彼氏のほうが楽しい」