文春オンライン

家の台所は細菌だらけ…市販品とは違う「自家製の冷凍食品」を弁当の保冷剤にすると食中毒が起きる仕組みを解説

source : 提携メディア

genre : ライフ, ヘルス, ライフスタイル

note

微生物学の専門家で食品安全委員会委員長の山本茂貴先生は「家庭での調理による食中毒は届け出が少ないだけで、実際には把握している以上の被害が出ていると推定されています。家庭でも十分に気をつけてほしい」と話します。

冷凍食品のパッケージの表示に注意

なお、冷凍食品の中には、加熱して食べることを前提とした冷凍食品も数多くあり、自然解凍で食べられる弁当用冷凍食品よりは少し緩いルールで作られているものが多くなっています。食べる前にきちんと加熱することでおいしく、安全に食べられる食品です。

したがって、加熱が必要な冷凍食品も、弁当にそのまま入れてはだめ。加熱調理用の冷凍しゅうまいや唐揚げをポンと弁当に入れていませんか? 冷凍食品のパッケージには、加熱が必要なのか自然解凍で食べられるか、明記されていますので、表示をよく読んで、加熱が必要な場合は表示されている方法で火を通してから弁当に詰めましょう。

ADVERTISEMENT

自家製冷凍食品は全部ダメ?

弁当の衛生管理Q&A

春先以降のお弁当の衛生管理には、多くの人がさまざまな不安や疑問を抱いているようです。それらについても今回、山本先生に聞きました。

【Q】自家製冷凍食品は全部ダメですか? 電子レンジで温めてからお弁当に入れるのはどうでしょうか?

【A】自家製冷凍食品でも、中までしっかり加熱して殺菌できた直後なら、お弁当に入れても大丈夫です。冷蔵していたお惣菜も同じ。弁当箱に入れる直前にしっかり加熱し、殺菌してください。お弁当は、詰めたら急いで冷やして、それからふたをして、保冷剤を添えて運んでください。ごはんやおかずに少し菌が付いていたとしても、急いで冷やすことで細菌が増殖しやすい温度帯が短くなり細菌の数が少なくなって、食中毒になるのを防げます。

【Q】市販の一口ゼリーを冷凍して、保冷剤代わりにおかずの間に入れています。これは大丈夫ですか?

【A】市販品なら、ゼリーの中身は殺菌されています。でも、ゼリーの容器を冷凍する時に、あなたが触ることにより容器の外側に細菌が付きますし、調理台の細菌がうつるかも。冷凍した時に周りの食品からの汚染も起きるかもしれません。それを、ほかのおかずの間に入れて保冷剤代わりにしたら、おかずに細菌がうつり生ぬるい温度でやっぱり細菌が増殖する可能性があります。私はお勧めしませんね。