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家の台所は細菌だらけ…市販品とは違う「自家製の冷凍食品」を弁当の保冷剤にすると食中毒が起きる仕組みを解説

source : 提携メディア

genre : ライフ, ヘルス, ライフスタイル

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果物ゼリーも食中毒の危険性がある

【Q】みかんゼリーを家で作って小型容器に入れて冷凍し、それをそのまま弁当箱の上に載せて保冷剤代わりに、というのがレシピサイトに載っていました。ほかのおかずに接するわけではないし、ゼリーも解凍されてほどよく冷たくて、デザートでおいしく食べられます。こんな食べ方は安全上、問題はありませんか?

【A】自家製みかんゼリーは細菌の管理ができていません。自然解凍後の温度によっては時間がたつと細菌が増殖します。みかんゼリーの大きさにもよりますが、保冷剤としての効果も十分とは言えず、お弁当の中で細菌が増殖する可能性があります。やはり、お勧めできません。

電子レンジを過信してはいけない

【Q】私は、前の日の晩におかずを全部弁当箱に詰めて、冷蔵庫に入れています。朝、ふたを空けずにそれを持って出勤し、食べる前に電子レンジで温めて食べています。こんなやり方も危ないですか?

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【A】殺菌するには、食品の中心部が75度で1分以上になるように加熱する必要がありますが、さまざまな食材が入っている弁当は加熱ムラが起こりやすく、この条件を満たせないかもしれません。

それに、細菌の中には、生きたままヒトの体の中に入って増えるタイプのほか、食品中で増殖する際に毒素を作っているものがあります。電子レンジでまんべんなく加熱すれば殺菌はできるかもしれませんが、毒素は加熱では無害化できません。

前の晩に作り、それを昼に食べるというのは、細菌が増殖できる時間が長いということ。市販弁当の多くは、細菌汚染や増殖を防ぐ手立てを講じたうえで、おいしく食べるために電子レンジで温める仕組みです。家庭では細菌対策は難しく、電子レンジでの加熱殺菌も不十分なのですから、やっぱり、朝にしっかり加熱殺菌して急冷して、という基本を守ることをお勧めします。

おにぎりは素手で握ってはいけない

【Q】おにぎりは素手で握ってはいけない、とよく聞きます。心配しすぎのように思うのですが。