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カタギになれた元ヤクザは「たった3%」

 2022(令和5)年2月6日、西日本新聞のウェブ版に興味深い記事が掲載されていた。警察庁によると、2010(平成22)~2019(平成31)年で、警察などの支援を受けて離脱した元組員約6020人のうち、就労できたのはわずか194人だというのだ。

 率にして3パーセントにすぎない。縁故による就職もあるだろうから、実質はかぎりなくゼロに近いということだ。その理由のひとつとして「元暴5年条項」を挙げている。社会が受け入れないならやくざを続けたほうがいいと考えても不思議ではない。

 警察の資金源つぶしでシノギは苦しくはなっているが、やくざ社会に流れるカネはある。カタギになりたいと思いながらも「元暴5年条項」で苦しめられるのであれば、やくざを続けてカスリを取ったほうが得だということになる。

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今ではカタギになり、第2の人生を歩む竹垣悟氏(写真提供:竹垣悟)

 だから後期高齢者になりながらも組に会費を払ってまでも現役でいるのだ。現役でいればメシは食える。カタギになるほうが得だということにならなければやくざから足を洗う者は少ないだろう。「元暴5年条項」が天下の悪法だという理由がわかっていただけると思う。

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