サヨナラ本塁打を打ったオークランド・アスレチックスのブレント・ルッカーが戻ってくる。飛び跳ねて祝福するチームメートたち。その歓喜の輪の中に、藤浪晋太郎(29)もいた。
5月12日のレンジャーズ戦のことだ。2点ビハインドの延長10回1死から緊急登板した藤浪は、ここを無失点で切り抜ける。するとその裏、逆転劇の末に、初勝利を挙げたのだった。
「ただ、この勝利は7番手で託された中継ぎでの登板でのもの。先発投手としてのものではありませんでした」(スポーツ紙デスク)
開幕から4試合続けて黒星を喫した藤浪。防御率は14点台に達し、マーク・コッツェイ監督の判断で、先発から中継ぎに配置転換された。その後は7試合に登板し、防御率は依然12点台。無失点で抑えていたかと思えば、いきなり炎上する“藤浪劇場”の幕が開く。不安定な投球は昨季まで在籍した阪神タイガース時代同様だった。
「制球が安定せず、カウント球を狙われる。右打者にはボールがシュート回転して死球を連発。『メジャーでも変わってへんな』との声も聞こえてきていた」(同前)
今年でプロ11年目。大谷翔平と投げ合った頃のようなピッチングを披露してくれることを期待するファンも多いが、現在の不調を喜ぶ声もあるという。