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――本人が買い戻しているとは。

マイケル そうなんです(笑)。大事にとっておいてくれたんだなと、胸が熱くなります。実際に買って「初めて見るグッズ!」というコメントをつけてSNSにあげたら、それを見てくれた方とも交流できる。SNSを通じて、ヤキソバンファンの方たちとまた繋がれるのは嬉しいですね。

――今はマイケルさんもグッズを持ち歩いているんですか?

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マイケル はい。とはいえ30年前のCMなので、もう知らない方も増えていて、披露しても「ポカーン」とされることが多い。ただそういう時も「説明できるチャンス!」とむしろ嬉しくなりますね。

マイケルさんが今も大切にし続ける「ヤキソバングッズ」(写真:本人インスタグラムより)

――披露した時の反応はどうですか?

マイケル 今の若い女性タレントさんは、リアクションがめちゃくちゃ冷たいんですよ。下手したらスルーされる(笑)。でも、こちらも意地があるからスルーだけはされたくない。だから、だいぶ鍛えられました。相手によってはめちゃくちゃ痛い目に遭うのも想定内で、楽しんでいます。

――SNSでも、よくヤキソバンや焼そば関係の投稿をしていますよね。

マイケル ポイントは「継続」ですね。集めるだけじゃなく、日々SNSでヤキソバン関係の小ネタをはさみ続けていれば、いつかまた何かのご縁があるかも……と思っていたら、本当にそれがあったんですよ。

――2016年に放送された、発売40周年記念のTVCM「日清焼そばU.F.O. エクストリーム!篇」シリーズですね。超B級SF映画風の構成で『スター・ウォーズ』のオマージュっぽいことでも話題になりました。

マイケル そうです! その第3弾で、“その後のヤキソバン”として、ダークなヤキソバンの登場が決まったんです。ヤキソバンの復活は、なんと21年ぶりでした。

「54歳・無職」になってしまったヤキソバン

――「54歳・無職」になり、毎日お酒を飲んでやさぐれる姿が、衝撃を呼びました。しかもすっかり闇落ちし、悪の帝国「レイジアウト」を統治する「バッド・ゲドウ魔王」として君臨する。初CMのとき、マイケルさんが思い描いていた「カッコいい」ヒーロー像とは、ますますかけ離れたものになってしまいましたね(笑)。

©松本輝一/文藝春秋

マイケル 本当ですよね(笑)。でも、時代が全く変わった中でも、続編を作っていただいたことに大感謝です。ダークな形でもスポットライトを浴びることができる嬉しさでいっぱいで、昔みたいにカッコよくみせたいなんていう気持ちは、もう微塵もありませんでしたね。(#3に続く)

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。