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帝京野球部1年後輩の三澤興一に衝撃…熱血アナが巨人の魅力を伝え続ける理由

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/06/01
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「阿出川帰れ!」のボードを見て……

 2010年、私にとって転機が訪れました。帝京高校の後輩から「アデさん、野球がそんなに好きならやってみない?」とイベントMCの仕事に誘われたのです。それはジャイアンツの試合前イベントでした。

 今までのジャイアンツへの気持ちや、そしてこれからのジャイアンツについて色々な方へ言葉にして届けられる機会と思い喜んでお受けしましたが、必ずしもいいことばかりではありませんでした。それまでイベントMCは美しい女性アナウンサーが務めていたのに、36歳(当時)の元気なオジさんが出てきて戸惑われた方も多かったようです。

 客席から「阿出川帰れ!」とボードを掲げられたこともありました。私は思わずその方の前まで寄っていって、「同じジャイアンツファンじゃないですか。一緒に応援しましょうよ!」と訴えました。次の日からボードの文字は「阿出川頑張れ」に変わっていました。

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 その後はジャイアンツの春季キャンプや試合前練習の中継のお仕事をいただくなど、今や仕事のほとんどがジャイアンツ関係になっています。

 うれしい再会もありました。2015年ごろ、三澤さんにジャイアンツ球場でご挨拶させてもらったのです。おそらく三澤さんは僕のことなど覚えてなかったと思うのですが、「先輩!」と立ててくださりました。

 私が出演することが多い日テレジータスの番組は、東京ドーム内、至るところで放送していただいているみたいで、ファンの方のみならず、監督・選手・球団関係者の方まで目にする機会があるそうです。

 ある日、球団スタッフの方から、こんなことを言われました。

「アデさん、(小林)誠司が言ってたけど今日元気なくない? 『声のノリが違う』って言ってたよ」

 そのように気にかけてもらえて、ありがたい限りです。

 今までで一番のご褒美になったのは、2019年のビールかけです。取材していると、原監督が来られて「キミにはかけなきゃ」と私にビールをかけてくださったんです。幼い頃からの憧れのスターにそんなことを言ってもらえて、本当に光栄でした。

 好きな選手に会えたらうれしい。それはファンのみなさんと同じです。だから私は、少しでもファンと選手の架橋になれたらと考えています。ジャイアンツの魅力を、選手の素晴らしさを伝えたい。ありがたいことに、ジャイアンツファンのみなさんも温かい言葉で応えてくださります。

 ファンのみなさんの声は、確実に選手に届いています。この前、中田翔選手はこんなことを言っていました。

「ファンのみんなが見てくれて、声をかけてくれるから、ちゃんと結果を残さないといけない。ファンのみなさんは、そんないい緊張感を与えてくれています。そこに僕らも応えたいし、結果が出た時はうれしいんです」

 これは中田選手だけでなく、選手みんなの思いのはずです。

 現在、ジャイアンツは借金1(5月31日現在)と悔しい状況ですが……この悔しさは応援エネルギー。悔しければ悔しいほど、勝った時に大きな喜びになります。これからもファンのみなさんに喜んでもらえるよう、私はジャイアンツの魅力をお伝えしてまいります。

©時事通信社

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