空気読みすぎ、頑張りすぎに疲れたなら、猫とパリジェンヌみたいに、のびのび自由に生きればいい。そう考えたイラストレーターの米澤よう子さんは、両者共通のリラックス術や生活習慣を考察した『ねことパリジェンヌに学ぶリラックスシックな生き方』を上梓。

 一方フランスでは、音楽業界出身の作家ステファン・ガルニエさんが愛猫ジギーから学んだ「生き方の極意」をまとめた『猫はためらわずにノンと言う』がベストセラーに。日本をはじめ22カ国で翻訳書が発売され、猫好きを中心に「わかる」「しみる」と共感の輪を広げている。

 どちらの本にも心をふっと軽くさせるようなメッセージが満載。中でも二人がそろって触れている5つのエッセンスには、今すぐ幸せになれるヒントが。印象的な言葉とともにご紹介します。

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*ガルニエさんと米澤さんの対談
フランス人はなぜ猫に『生き方』を学ぶのか?
http://bunshun.jp/articles/-/6284

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1.家と地元を安住の場所にする


『猫はためらわずにノンと言う』 (ステファン・ガルニエ 著 吉田裕美 訳)

『猫はためらわずにノンと言う』 (ステファン・ガルニエ 著 吉田裕美 訳)

“猫は自分の家が好きだ。家の大小は問わず、自分だけの城だからだ。(中略)たった二部屋のアパートだとしても、そこは猫にとって身も心も幸せな場所の中心なのだから、猫は家にこだわる。”

 猫が縄張りにこだわるように、私たち人間も住まいに快適さや美しさを求めよう、とステファンさんは説く。家が整い、心に平和が訪れたら、次はご近所にも目を向けてみよう。

“あなたは家を拠点にして、なじみの商店や、夏には静かに本を読むことができる街角の小さな公園などへと居心地のいい場所を同心円状に広げていけばいい。猫のように快適で安心できる縄張りを広げることが、あなたにだってできるのだ。”

『猫はためらわずにノンと言う』P.98「自分の縄張りにこだわろう」より

©文藝春秋

 米澤さんは、パリジェンヌが地元に詳しく、お店や公園をフル活用していることと、猫が縄張りをパトロールする習慣に類似性を見出した。

下町でも中心部でもパリジェンヌのセリフは変わらない。

 

“住む地域を聞けば、どこであろうと最後に「いいところよ!」と付け加えるパリジェンヌ。”一方の猫はなわばりを“パトニャール”して、“テリトリーを見回り&遊ぶ”。

 パリジェンヌにならうなら、近所をぶらぶら散歩して、行きつけのパン屋でバゲットを買い、地元っ子ならではの目線で見つけた路地裏のカフェがいい感じだったら「今度友人と来よう」と誓う……。遠出をしなくても、じゅうぶん幸せな週末が過ごせそうだ。

ねこは地元定着型。自分のお気に入りの場所があちこちに。

『ねことパリジェンヌに学ぶリラックスシックな生き方』P.34「ふつうでいいの」より

©文藝春秋