5.幸せの連鎖は、まず自分から
“とにかく、猫にとっては自分の幸せが最優先。その結果、ストレスなしに健康的に生きていけるらしい。”これぞ人間が学ぶべき猫の生き方哲学、とステファンさんは考えた。
「自分の幸せを最優先」と言っても、自分の損得にこだわったり、自己中心的になるわけではない。あくまで猫のように、自分の快適さを大切にしようということ。
“時々でいいから、いつも習慣のようになっている他人への気配りをやめて、自分の心地良さをほんの少し優先しようとするだけでいい。自分にかまうことを忘れてしまったら、ほかの誰かのために何かするなんて、できっこないのだ。”
すると、こんな効果も期待できる。
“自分自身が幸せで生き生きとしていれば、あなたのそばにいる他人にもそれを分け与えることができるはずだ”
『猫はためらわずにノンと言う』P.11「猫に近づくと、世界が変わる?」同P.32「まずは自分のことを考えよ」より
米澤さんは著書のカバーソデに、こう書いた。“空気の読みすぎ、頑張りすぎに疲れたら「好き」や「心地良さ」を優先してみませんか。ふつうの毎日をのびのび満足げに生きるねこと、パリジェンヌみたいに” そして「おわりに」で、こう綴っている。
“小さくても幸せは幸せ。あなたに宿った幸福感は、誰かの関心を呼び寄せます。そしていつしか周囲に伝染していく”
一人で快適そうに過ごす猫を見て、こちらまで幸せな気分になることがある。幸せそうに生きる人を見ても、それは同じ。周囲に遠慮せず、まず自分自身を幸せにできたら、人生が変わり始めるかも……?
今回紹介した内容は、ほんの一部。ステファンさんの本には猫に関する偉人の言葉も多数登場し、人間の普遍的な猫愛を感じながら、教養と哲学的思考が身につく。また、米澤さんの本に描かれたおしゃれでいきいきとした猫とパリジェンヌは、見ているだけで元気がもらえる。猫的生き方に興味が湧いたら、ぜひご一読を。