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オールドファンが綴るファイターズの交流戦と、阪神との因縁

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/06/11
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最初の日本一の相手は「阪神」だった

 昔話ついでに言うと、1962年、Fの最初の日本一の相手は2連敗後に4勝した「阪神」だったんですよね。当時小学4年生でまだ0歳代だったわたしは、そのせいか今日に至るまで、住んでいる家(球場)の立派さ以外のところで阪神に対する優越感を失うことがただの一度もありませんでした。むしろ双方の球団事務所の所在地にちなんで「西銀座シリーズ」と期待された巨人ー東映戦こそが、野球版東京ダービーとして燃え上がるものなのでした。おそらくその先祖代々伝わる何かが6月2日からの巨人戦(○●○)での盛り上がりだったのでしょう。ジャイアンツ・ベンチ、別名〈原辰徳部屋〉親方衆の人相が劣勢によってどんどん凶悪になっていく後楽園ドーム3連戦なのでした。

 続く広島戦での(●●●)は、旧東京ダービーでの燃え尽き症候群を現していたのかもしれません。してはならなかった同一カード3連敗の原因は守り負けたことに尽きますが、もう北広島の新球場に魔物が棲んでいたとしか思えません。まさか、まさかの不運の陰に「赤ヘルの呪い」ないしは「ジョー・ルーツ元監督(1925-2008)の呪い」があったことは確かでしょう。話題騒然となった新庄デザインによる赤の襟付き限定ユニフォーム(5勝3敗!)への見事なまでのしっぺ返し。あるいはカード頭で負けたあとも妙な余裕で〈視力検査の「右です」帽子〉などと飲みながら揶揄したわたしへの懲罰……。

 しかし我が方はボスの薫陶でユニフォームのデザインにはちょっとどころかかなりうるさい。6月4日のロッテ戦で披露した「阪神」のあのらしからぬ限定ユニフォームは何なんだ、大昔の南海ホークスかい、と思ってしまって当然です。ということは、ふふふ、「緑の呪い」が今度はきっと「阪神」に……。

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 それにしても日々これほど華と張りのある生活を送れるのは珍しい。みんなみんな大沢親分(啓二/1932-2010)の英語名といわれる(?)ビッグボスのおかげです。何事も体験。いつか3塁コーチスボックスに立つことがあれば、たぶん我が方としては水原茂元東映監督(1909-1982)以来のこととなります。ちなみに、水原さんも大変なデザイン好きで、東映の時と同じようにスカイブルーの中日ドラゴンズのユニフォーム・デザインを担当しました。自由が丘界隈のジェントルマンだった水原さんは球団監督の7代目。22代目の新庄剛志監督につい重ねてしまうオールドファンがここに一人います。さあ、今日も勝つぞ! フライヤーズ、もとい、ファイターズ!!

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