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「お父さんが可哀想すぎる!」小笠原道大の娘である私がドラゴンズファンになった“家庭の事情”

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/06/19
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若いドラゴンズに必要なのはプレーの「勢い」

 好きになった選手は、最初は王道の浅尾さん。私が見ていた神宮の試合で逆転ホームランを打った桂依央利選手もずっと応援してました。大野雄大さんも高校生の頃からずっと応援しています。今年の沖縄キャンプで一緒に写真を撮っていただけて嬉しかったです……。

 今は細川成也選手に注目しています。私と同じ年というのもありますが、何より移籍してきた選手には特別な思いがあります。新しい環境に入って、新しいチームメイトと一緒に野球をして、そこでスタメンを掴んで活躍するのって本当に大変なことだと思うんです。移籍を続けてきた父を見ていたから、なおさらそう思います。

 今のドラゴンズは希望がいっぱいあるチームです。伸びしろしかありません。「強い」チームではないかもしれませんが、「応援したい」と思えるチームなんです。若い選手がみんなエネルギッシュでワクワクします。

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 球場では選手のプレーに「勢い」があるかないかを見ています。私は野球の経験のない素人ですが、選手のプレーや立ち居振る舞いを見ていると、「今、たたみかけてないな」というのが空気感でわかるんです。チャンスで打席に入っているはずなのに、なんだかピンチのように見えてしまうのは、打席の作り方が「浅い」からではないでしょうか。これは幼い頃から父の打席をずっと見ていて気付いたことです。

 打席ってベンチから出たときから始まっていると思うんです。ネクストバッターサークルにいるときから、投手にプレッシャーをかけるのは本当に大切なこと。覇気がなかったり、「打てなかったらどうしよう」と考えたり、迷ってしまったりすると、せっかくのチャンスなのに凡退する確率が上がってしまいます。

 父は打席のルーティンが多い選手でした。打席を外しまくって審判に嫌われていたとも聞きます。それはすべて“自分の打席”を作るためでした。ネクストにいるときの振る舞いや、打席に入ってからの独特の構えなど、打席の空間を作るのがとても上手だったと思います。スピードアップには貢献していなかったかもしれませんが……。ドラゴンズのファンも、選手にはスピードアップに貢献するより、打ってくれたほうが嬉しいはず! 

 今、ドラゴンズでプレーに勢いを感じるのは、やっぱり細川選手です。「目」が強いと思います。投手ですが、涌井秀章投手も自分の空間を作るのが上手だと思いますし、やっぱり目が強いですね。勝負をしているときのあの目で見られたら、私だったら怯んでしまうと思います。ドラゴンズの選手がみんな「勢い」を身につけてくれたら、もっともっと強くなる!

 ちなみに父は今でもルーティンの人です。朝起きてから、することが全部決まってます。水を2杯飲んで、洗濯をして、洗濯物を干して、掃除機をかけて……実は今、料理以外の家事全般を父がしているんです。洗濯物のたたみ方も全部ルールがあって、私のたたみ方がイマイチだと叱られます(笑)。

 私の以前からの夢は、バンテリンドームで始球式をすることです。どんなユニフォームでマウンドに上がるのか、ずっと考えています。お酒を飲みながら野球の話、ドラゴンズの話をすると止まりません。家にいると無口なのですが、母には「ドラゴンズの話をするときは人が変わるね」と言われています(笑)。これからドラゴンズのことをもっともっと発信していければ嬉しいです!

©小笠原茉由

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