オランダの軍事情報サイトOryxに世界的な注目が集まっている。とりわけウクライナでの戦争において、Oryxがオープンソース・インテリジェンス(OSINT)によって作成した損耗リストは、ロシア軍の多大な損害を物証付きで明らかにしており、CNN、BBC、NHKといった世界中のメディア、さらにはイギリス国防省でも信用できる情報源として引用されている。
そのOryxの創設者、シュテイン・ミッツァー氏が来日。都内某所で世界初のロングインタビューに応じて、“趣味”であるというOSINT活動について語ってくれた。
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現在は北朝鮮の情報部に焦点を当てた本を執筆中
――日本のメディアやOSINTについてどう思いますか?
ミッツァー 西側で知られている日本のOSINT専門家はそう多くはないと思います。この仕事や趣味をやっている中でも、そういった日本人とほとんど会わないので、日本ではあまりいないのかなと思います。例えば、趣味で北朝鮮を調べたりしている人がいるとすると、その人は周りからちょっと冷たい目で見られるのではないでしょうか? 拉致問題について北朝鮮がどのようにして入ってきて拉致をしたとか、そういったことを趣味で細かく調べたら、その人は周りから変な風に見られませんか? それでOSINTに行く人が少ないのではないでしょうか。
私は今、北朝鮮の情報部の活動に焦点を当てた本を書いています。 その中で驚いたのが、北朝鮮の侵入について、日本ではまるでなにもなかったかのように情報が欠けているのです。世界中で拉致問題が起きていたのは知られていますが、横田めぐみさんが拉致された際の情報がほとんどないことに驚きました。
私は日本のテレビ報道を何度か見ましたが、ウクライナ情勢に関して西側の報道で見られないディテールに驚きました。ただ、私は日本語を話せないので、どれほど正確なのかはコメントできません。