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外国人、会社員風…記者に声をかけた男性たち

 携帯電話をいじりながら路上に立っていると、アジア系の外国人らしき男性に声をかけられた。

「遊び?」

 彼の指す“遊び”が何なのか具体的に聞こうとしたが、実際に男性を目の前にしてみると恐怖心を抱いてしまい、思わず首を横に振ってしまった。

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 男性はすっと目の前から立ち去ると、また数メートル先の女性に声をかけていた。

女性に声をかける男性。少し話したあと、男性はその場を立ち去った ©文藝春秋

 このあと堰を切ったように、次から次へと男性が話しかけてくる。どうやら一度男性に声をかけられて話をすると、「立ちんぼ」とみなされるようだ。

 2番目に声をかけてきたのはスーツに身を包んだ男性。電気系の会社の営業職だという47歳の男性は物腰柔らかく、いたって普通のサラリーマンに見える。職場にもいそうなこの男性が「路上で女性を買うことがあるのか」といささか衝撃を受けた。

 男性は記者のすぐ左隣に移動すると、「普段歌舞伎町に来るのか」や「いつから公園に立っているのか」などと会話を始めた。最近はYouTuberが公園付近をうろついていることなど、世間話もした。

 記者は公園に立つのが初めてで、この男性がいくらくらいで女性と会い、何をしているのかをたずねた。すると男性は声のトーンを下げて、次のように話した。

「この辺は何回か来たことあるよ。一緒にご飯食べてホテル行ってみたいな感じかな。もちろんおごり。2、3万円くらい払ってるかな。お姉さんはどう?」

女性に声をかける男性はカジュアルな服装の人もいれば、スーツ姿のこともあった ©文藝春秋

 この男性は公園周辺に何度か来たことがあり、連絡先を交換してたまに会う女性とも出会えたという。女性の接待に対価を払うという意味では、性風俗店やキャバクラも新宿には多く存在するが、なぜあえて公園で出会いを求めるのか――。

「普通の女の子と喋りたいんだよね。どこかでお酒でも飲まない?」

 丁重に断ると男性は去っていったが、間髪を入れずにその後も仕事帰りの会社員など、約30分の間に40代から50代の男性計5人から「お金は払うから遊ぼう」という趣旨の言葉を向けられた。

 そのうちの1人は髪の長いスーツ姿の男性で、「お金に困っていないですか」と何度も聞いてきた。自宅が荻窪のため、新宿にはよく出会いを求めて訪れるのだという。

 真偽は定かではないが、有償でのアダルトビデオ出演をもちかけてきたジャージ姿の男性もいた。