「後継者問題」に対する考えは
だが、2021年12月、「週刊ポスト」で「“令和の闇将軍”安倍晋三を悩ます安倍家と岸家の『跡取り問題』」という見出しの記事が出ていたのを目にして、私は安倍に「実際はどう考えているのですか?」と聞いたことがある。するとこう答えたのだ。
「選挙区は預かりものだから、政策を引き継いで日本のために頑張ってくれる人なら誰でも歓迎したい。血縁にはこだわらない」
2023年4月23日に行われた補欠選挙には、安倍の選挙区だった山口4区から昭恵の支援のもと、自民党の元下関市議・吉田真次が立憲民主党が推した有田芳生らを破った。
国会議員となった吉田は、安倍事務所が退去し、長らく空室となっていた衆議院第一議員会館の1212号室の主となった。一方、山口2区からは辞職した安倍の実弟・岸信夫の後を継いで、息子の信千世が初当選を果たしている。
自宅に帰っても「選挙、選挙」と繰り返す夫の姿を見て、かつては「なんで、いつも選挙のことばかり!」と言っていた昭恵だが、この補選では吉田の事務所開きに出席して支援を呼びかけるなど、先頭に立って奔走した。
吉田が当選を確実にした時、昭恵は「(安倍が)これからもきっと吉田さんの活躍を見守ってくれていると思います」と涙を流しながら挨拶した。そんな妻の姿を見て天国にいる安倍は、政治一家の“宿命”を感じているかもしれない。
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