高知県土佐市でカフェ「ニールマーレ」を運営していた崖っぷちカフェ店長が、施設の利用を巡って現地NPOの理事長と揉めて、SNSに告発をぶちまけ大炎上となった事例がありました。どうしてこうなった。
なんじゃこりゃと思っていたら、俺たちのヨッピーさんが現地に飛んでくれて詳細なレポートが上がってくると、読むものが皆涙を流す「町おこしあるある」だったことが判明しました。ありがとうヨッピー。
SNSで大炎上の土佐市移住者カフェ、現地で起こっている事の総括と問題点
https://news.yahoo.co.jp/byline/yoppy/20230524-00350545
綺麗事ではない田園暮らしの実態が続々と
ちょっと前にも、北海道で女性YouTuber「りんの田舎暮らし」、地域おこし協力隊で愛媛県の別子山地区に移住していた柳生明良さんら、ネットで活躍しているクリエイターなどが地方移住に憧れ、行ってみたら住民とのトラブルに見舞われるケースが相次いでいます。どうしてこうなった。地方衰退のリアルそのものであって、そう綺麗事ではない田園の暮らしがどんどん出てきたのは興味深いことなんですよね。
「もう限界」移住失敗した男性の後悔 限界集落で起きた「うわさ話」:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASR1S0DJNR1KDIFI00S.html
10年ほど前、現地に来ていた医師が地域住民とのトラブルで続々と村を離れて無医村になっていた秋田県上小阿仁村では、少しは落ち着いたのかと思ったら今度は村の歯科・口腔衛生を担当していた男性医師が、「村の意向」で辞職届を出させられていたことが秋田魁新報に報じられ、相変わらずの状況のようであります。どうしてこうなった。
可視化されるようになった地方社会の「闇」
実際、これらの「街づくり」や「町おこし」の美名と共に都市生活に疲れた移住者を田舎にマッチングする仕組みは、定番として地元に古くから住む地域の有力者によって排除されるケースが少なくありません。結果として住みづらくなった若者は生まれ故郷を捨て、地方には老人だらけになり、地元の主たる産業がお役所と警察と郵便局ぐらいしかないという状況になるのも致し方のないことです。
地方経済に詳しく『まちづくり幻想 地域再生はなぜこれほど失敗するのか』などの名著を上梓されている木下斉さんら有識者もかねて指摘してきたことで、ネットでこれらの失敗事例が広く出回るようになったのも、SNSが国民社会に深く溶け込む中でこれらの地方社会の「闇」が可視化されるようになったからだとも感じます。いままでは町内で閉じていた人間関係が、トラブルをきっかけにSNSで地名と顔出しで表現されるようになると、一気に隠されていたものが表出しちゃうわけですね。