これはもう、少子高齢化が進む我が国日本が進むべき道という意味では宿命と言えるものであって、政府が意味のない金を使うのをやめろという(ある種の維新の会が進める新自由主義的な)文脈で言えば、自力では立ち上がることのできない地方に対して無駄なカネを出さないようにしましょうという話になります。
しかし、地方自治体はやはり国の政策を受けて実行する存在ですから、地域経済をどうにかするために「街づくり」でも「町おこし」でも何でも、建前をつけて国からカネを持ってこないと干上がってしまいます。本当に仕事がなくなった地方をどうするのかは、今後の日本の真の課題と言えます。
「広く人権が守られる仕組みを構築すべき」という議員の話
他方で、先日の千葉5区補選で自民党から立候補して当選したえりアルフィヤ議員さんが、米TIME誌での取材に答え、割と広く人権が守られる仕組みを制度的に日本は構築するべきだ的な話をされています。
Meet the Multi-Ethnic Millennial Who Just Might Represent the Future of Japanese Politics
https://time.com/6280816/arfiya-eri-uyghur-japan-parliament-ldp/
地元は年寄りが増えてどうにもならない、移民はどんどんやってくるとなると、住民に対するサービスを回していけるだけの余力のない自治体が出てくるのもまた当然です。北海道夕張市は一足先に破綻しましたが、土佐市も含め、地方自治体の財政力がパッとせず、また高齢化率も35%を超えているような地域(土佐市は2020年に36.80%)は、周辺自治体と再々編もやりながら軟着陸させていかなければならない状況になっていくでしょう。
総務省が頑張っている地域おこし協力隊、取り組みとしてはとても面白いと思うのですが、今回の移住者カフェのような個別事例があっても助からない状況になるのも事実です。まさかカフェ開店にあたって、地元自治体が重要事項の説明をせず、賃貸借契約を結ぶことのできない劣悪な条件であることを知らずに繁盛店を作られたら、どうにもならないじゃないですか。契約書もない、というか結べる場所・施設ではなかったみたいだし。
トラブルの際に頼れる人材や地域の専門職はいるのか
今回は日本人の移住者でしたけれども、日本にあまりなじみのない宗教を信仰する外国人移住者とのトラブルであったら、政府や県、自治体はどうサポートができるのかというのは非常に深い難問になり得ます。そして、こういうトラブルの際に頼れる人材も地域の専門職も、いまの地方自治体には乏しいんじゃないかと思うんですよね。
同じことは、日本全国の過疎で大変な自治体と、田舎暮らしを試してみたい人たちと、地域の経済を支えるために低賃金で外国からやってきた移住民の皆さんと、古くから地元で権勢を誇っていた地元住民との間で起きる、引き返しのできない衰退のドラマとして繰り返し起きていくことになるのでしょう。