「築地市場の移転が決まりましたが、戦時中、築地にどのような物語があったのか。職人の生き様、夫婦愛を感じ取ってもらえたら」
日本初の女性寿司店店主となった築地玉寿司2代目・中野里こと。彼女の実話をもとに舞台化した「こと~築地寿司物語~」で、こと役を務める鳳恵弥(おおとりえみ)さんはこう語る。
昨年2月の前作は、全公演満席、劇場の最多来場者数を記録。続編となる今作では時代を遡り、大正・昭和に「築地」の礎を築いた人々を描く。
「私達の祖母達は今の女性より強く、明るかった。そんな事をお客様は、ことさんを通じて思い出されたようで、ご好評を頂きました。長く演じていける作品にしたいです」
鳳さんは2002年、準ミス・インターナショナル日本代表に。その後、つかこうへい劇団に入り、役者の経験を積んだ。
「両親は喫茶店を営み、近くに大衆演劇の劇場があったので、商いやお芝居は常に身近にありました。それが今回の役柄に生きています」
昨年9月、鈴木砂羽さん演出の公演での“土下座強要騒動”で、鳳さんの名は図らずも全国に知られることに。
「大先輩の役者さんがコメントを下さって、勉強になりましたし、むしろ幸せでした」
苗字の鳳は芸名で、オードリー・ヘプバーンからとった。
「『ザ・主役』ですよね。彼女のような役の完成度、風化しない演技を目指したい」
舞台『こと〜築地寿司物語〜』
3月1日〜11日、築地本願寺ブディストホールにて
チケット問い合わせ TEL 0120-240-540
http://siebold.co.jp/koto/