Q 日経平均株価がひさしぶりに3万円台を回復した理由は?

 日経平均株価が1年8カ月ぶりに3万円台を回復し、「バブル景気」の後の最高値を更新したことがニュースになっていました。それほど抜本的な「経済対策」が行われたという印象もないのですが、どうして今、日本の株価が回復しているのでしょうか?(30代・男性・会社員)

日経平均株価が「バブル景気」の後の最高値を更新している理由は… ©️時事通信社

A 3つの理由があります

 理由は3つあります。ひとつは中国の経済政策が不透明になり、海外の投資家は、投資先を中国から日本に変えているのです。

 2つ目は円安です。海外の投資家は、ドルベースで見ると日本の株価が大変格安に見えるのです。安いうちに買っておこうという動きです。

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1988年、日経平均株価が2万8783円の最高値を記録した際の東京株式市場 ©️時事通信社

 3つ目は、東京証券取引所が上場企業に対し、「もっと株価を上げるように努力しろ」という趣旨の“指令”を出したのです。「株価を上げないと証券取引所での上場が維持できなくなるかもしれない」と恐れた企業各社が株価を上げるべく努力を始めたのです。

 ひとつは配当金を上げたこと。株主にとって配当金が増えるのは嬉しいこと。企業の人気が出て株価が上がりました。また、内部留保の形でため込んでいたお金で自分の会社の株を買いました。これを「自社株買い」といいます。こうすれば、市場に出回っている自社の株数が減りますから、株価は上がるのです。