〈《もし健康だったら、この年に僕たちは一緒に気ままな世界旅行をしませんか? 余計なことは何も考えず、ゆったりとした旅を。そして、どこか知らない土地で『まだ愛してる?』『いるよ』なーんて、言ってみたりしてね。》と綴られていた。読んだ瞬間、温かな涙が零れ落ち、晴治さんとの思い出は時を経ても色褪せないのだと実感しました。息子を間に挟み、内容が見えないようにハガキを隠しあったこと、未来の晴治さんを思い浮かべながら書いたこと――。あの穏やかな時間や自分の気持ちが今もはっきりと思い出せるんです。〉
「きっと私は二人の才能に恋していた」
1988年、ドラマ『男女7人夏物語』(TBS系)の共演で知り合った明石家さんまさんと結婚、長女のIMALUさんが誕生した。さんまさんと離婚後には劇作家の野田秀樹さんと数年間同居生活を送った。
〈実は、さんまさんの時も「大竹しのぶと結婚してから、さんまはつまらなくなった」などという世間の声は私の耳にも届いていました。悩んでいた時に、知人から「さんまさんも野田さんも、ギザギザの金平糖だったのが、しのぶと一緒になって角が取れて、甘いだけになっちゃったのね」と言われて、ああそういうことか、と。一緒にいることで相手の仕事に影響が出ているなら、それは私の望むことじゃない。きっと私は二人の才能に恋していたんでしょう。良き家庭人として甘いだけの金平糖になるのではなく、ギザギザのままでいてほしかったからこそ、別れを選んできたのだと思います。
その後も、さんまさんとは子供の父、野田さんとは仕事仲間としての付き合いが続いています。一緒にいた時よりも別れた後の方が、よりよい関係に生まれ変わったような気がしているんですよ。〉
6月9日発売の「文藝春秋」2023年7月号と、「文藝春秋 電子版」(6月8日公開)では、服部さんとの大恋愛、さんまさんとの結婚生活に加え、野田秀樹さんとの恋愛についても明かしている。
【文藝春秋 目次】100年の恋の物語 田原総一朗×下重暁子、谷崎潤一郎、伊藤野枝、山本五十六、関根恵子、オノ・ヨーコ/猿之助ショック! 歌舞伎を守れ
2023年7月号
2023年6月9日 発売
1200円(税込)