榊原郁恵「何があっても寝室は一緒」

榊原 郁恵 タレント・女優
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「なんで後悔ばかりするの?」徹さんが開いてくれた心の扉

 昨年11月28日に敗血症で渡辺徹が他界し、4ヶ月後の3月28日に、グランドプリンスホテル新高輪でお別れの会を開くことができました。1200人もの方々にお集まりいただき、一度しか会ったことのない方や、年に1回しかお仕事していない方も、遠くから足を運んで下さいました。「徹さんにこんなことを言ってもらったんです」「こんなこともしてくれたんです」と、たくさんの方から一生懸命に言葉をかけていただく中で、私の知らなかった徹さんを知り、あの人はひとりひとりと丁寧に向き合い、こんなにも愛されていたんだと、改めて実感しました。仕事は大小ではなく、心の針が振れればどこへでも行く人でしたから、そんな誠心誠意が伝わった気がして本当に有難かったですね。

榊原郁恵(本人提供)

 私はといえば、後悔ばかりの日々です。徹さんに成仏してもらおうとお葬式も会見も、なるべく明るく笑ってやりましたが、心の中では、もっと優しい言葉をかけてあげたら、最後に手を握ってあげられたら、もっと、もっと……と、そんなことばかり考えています。

 お別れの会の日に、渡辺の言葉をまとめた本(『すべては出会い 渡辺徹の愛され人生』きずな出版)を出しました。講演や対談での本人の言葉をまとめたものですが、こうして振り返ると、ずっと自問してしまいます。「ああ、私は彼の立場を理解してあげていなかったのかな。ちゃんと話を聞いてあげてなかったな」と。同時に、17歳でデビューして以来、「何があっても自分で生きていけるようにしなければ」と、自立して生きてきたつもりでしたが、実際に何かあった時には、ボロボロになった自分がいることに驚きました。結局、徹さんにすごく支えてもらっていたんだなと感じています。

「ラクしてる、この人」

 初めて会ったのは、1982年、渋谷公会堂でした。司会を務めていた歌番組「ザ・トップテン」に、徹さんがセカンドシングル「約束」で初登場した時です。役者さんって歌番組に出ると、場違いな感じがするのか、緊張したり、どこか居心地悪そうにしている方ばかりで、大抵は台本通りに進行しました。ところが彼は、お酒の席での一発芸の話を振るとその場で芸を披露し始めた。チアガールだったか、なんだったか。

「なんてチャラい人なんだろう」それが最初の印象でした。徹さんは徹さんで、本番前に廊下で挨拶したのにそっけなくされてガッカリしたのだとか。ファン目線で抱いていた「郁恵ちゃん」のイメージが裏切られたとか言っていましたが、まったく記憶にないんです(笑)。学生時代には実家の部屋に私のポスターを貼っていたことも、ずっと後に義母に教えてもらって知りました(笑)。

渡辺徹さん ©文学座

 ドラマ「太陽にほえろ!」のラガー刑事役で脚光を浴びた彼は当時、アイドル的な存在。会場には黄色い歓声が飛びました。「約束」の後も「愛の中へ」「AGAIN」と、立て続けにランクイン。そして番組に来るたび体型が大きく丸くなっていく。これがまたなんとも印象的で。

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source : 文藝春秋 2023年7月号

genre : ライフ 芸能 ライフスタイル