日本を震撼させた平成の凶悪事件。事件後に流れた歳月は犯人・遺族の心境にどのような変化をもたらすのか。ノンフィクションライター、小野一光氏が現場を歩く。今回は「平成18年 秋田児童連続殺人事件」篇の第1回(全4回)。
更地になっている住居の跡地は、過ぎ去った歳月を示すかのように雑草が生い茂っていた。誰かが植えたのだろう。端の一部だけ草が刈られた場所には、ひまわりが等間隔に並び、小振りの花を咲かせている。
ここは秋田県山本郡藤里町。さらに先へと進むと、世界遺産である白神山地が広がる、風光明媚な地域だ。
この藤里町で2006年4月から5月にかけて、2人の児童が殺害された「秋田児童連続殺人事件」。
私の眼前にある更地にはかつて、同事件の犯人である畠山鈴香(逮捕時33)の住む家があった。
今年で事件が起きてから17年が経つ。
「いや、もう思い出したくないので。せっかく忘れてたのに」
「あそこが空き地になったのは、事件から何年かしてからです。あれから時間はたしかに経ったけど、自分たちからしたら、あっという間でしたね」
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