ホンダとの決裂の深層を探る
昨年12月から続いていた日産自動車とホンダの経営統合協議が打ち切られた。まだ利益が出ているホンダはともかく、赤字寸前の日産にとっては緊急事態である。長く自動車業界を見てきた筆者には既視感がある。1999年春に仏ルノーから出資を受ける直前、今と同じような経営危機にあった日産と、ある外資企業との資本提携協議が破談していたのだ。
昨年末「日産とホンダが経営統合を協議」と聞いたとき、筆者は本気で驚いた。
浜松の町工場を「世界のホンダ」にした伝説のエンジニア、本田宗一郎を祖とするホンダと、明治以来、財界人や政治家、官僚の息がかかった「半国策企業」だった日産。その二つが融合することなど「あり得ない」と思っていたからだ。
しかし昨年12月23日の記者会見を見て、なんとなく納得した。日産の内田誠社長(写真左)、ホンダの三部敏宏社長のどちらにも「絶対統合するぞ」という気迫が感じられなかったのだ。三部社長に至っては「日産の魅力は?」と聞かれ「うーんと、えーと」としばし考え込む始末。結婚会見なら相手が怒って出ていってしまうレベルだ。
(ああ、これは誰かにやらされているな)
そう思った。
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source : 文藝春秋 2025年4月号