8月号の目玉企画は「戦後80年の偉大なる変人才人」。戦後を代表する“40人の異才”の素顔を、親族や友人が紹介しています。
文藝春秋では、これまで人物にフォーカスを当てた特集を企画してきましたが、「昭和100年の100人」(2024年8月号、2025年1月号)にしても、いわゆる“偉人”と呼ばれるような方が中心でした。ところが、今回は打って変わって、とにかく「ハチャメチャな魅力で時代を作った人物」を探す旅。担当者は全国各地に飛んで、エピソードを集めて回りました。
その特集の中で、担当デスクとして気になっていた人物の一人が、数々の選挙に立候補し続けた羽柴誠三秀吉さんです。あの活動の原動力はなんだったのか。地元・青森に建てた城は、いまどうなっているのか――。

ぜひとも取材したいと、小誌で数々のルポを手掛けてきたベテランジャーナリストの伊田欣司さんに執筆をお願いして、次男の三上大和さんを訪ねてもらいました。

あれも聞きたい、これも聞きたい、絶対にあの城の写真も撮って来て下さいね……、などなど、伊田さんと打ち合わせを重ねてお願いするまでが、今回の私の仕事。スケジュールの都合もあって、実際に青森に飛ぶのは伊田さんお一人なのです。どんな取材になったのか、その舞台裏を伊田さんに聞きました。
――そもそも行くのが大変で、2泊3日の旅になったとか。
伊田 東京の自宅から新青森までは、新幹線で3時間半ほどで行けるのですが、そこから五所川原市にある最寄り駅まで電車で行こうとすると乗り継ぎが悪い。近くにちょうど良い宿も取れなくて、青森駅近辺で宿を取り、レンタカーを借りて連日片道40kmの道のりを往復することになりました。初日はお話を聞いて、2日目も写真を見ながら改めてインタビューさせてもらいました。
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