“伝説の記者”川手洋一さんが明かした、苦境に立たされたミスター・長嶋茂雄の一言

vol.114

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【総力取材 永久不滅の背番号3】長嶋茂雄 33人の証言」の取材では、総勢13名の取材班がミスターと縁のあった方々にお会いして、興味深い話の数々を聞きました。その中でも取材班キャップの私にとって印象的だったのは、担当記者たちの間で「背番号2」と呼ばれた“伝説の記者”川手洋一さんの話です。

 なぜ「背番号2」なのか。それは長嶋茂雄、王貞治の両氏に深く食い込んでいたからです。実は巨人担当記者の中では長嶋派と王派に分かれていて、ONのどちらにも親しい記者はほとんどいなかったそうです。

 取材場所は水道橋駅にほど近い、川手さんが社長を務めていた「富士器業」の本社。というのも、川手さんは立教大学を卒業後、1975(昭和50年)に報知新聞社に入りましたが、1990年に退社しています。その理由は、1988年に王さんが巨人の監督を解任されることが決まりつつあったところ、それを跳ね返そうと「王監督残留」との“誤報”を敢えて打ったから。そこまで王監督に惚れ込んでいたのです。

川手洋一氏 ©文藝春秋

 川手さんの部屋に招かれてソファに座ると、「そこに長嶋さんがいつも座ってたんだよ」と言われてビックリ。ミスターは東京ドームに行くとき、ここで一休みしてから出かけていたそうです。

「このビルを買うときもね、別の会社に決まりかけていたんだけど、長嶋さんが哲ちゃんに言ってくれたんだよ」

 実はこの場所、2016年まではベースボール・マガジン社がありました。哲ちゃんとは3代目社長の池田哲雄氏のことです。川手さんとミスターの関係は、報知新聞を辞めてからより深まったようです。

 記者を辞めて義父の経営する富士器業に入社した川手さんのことをミスターはとても心配していたそうです。

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