あの絶望を越えて妹と歩んだ歳月と、御巣鷹山に消えた父、母、末妹に綴る感謝の手紙
今年の八月十二日で、あの日から三十年が経つことになります。
一九八五年八月十二日十八時五十六分、群馬県多野郡上野村の御巣鷹山に「日本航空 123便」が墜落し、乗客乗員五百二十名が亡くなる事故が起こりました。
あの便には、私の父親の英治(当時41)、母親の和子(39)、そして慶子(12)、咲子(7)という二人の妹が乗っていました。慶子は奇跡的に助かりましたが、両親と咲子は亡くなりました。
事故以降、私は、当事者である慶子以上に精神的に不安定だったと思います。人生なんてどうでもいい。いつ死んだっていい。そう捨鉢になって生きてきました。
しかし家族、そして子供ができたことで、私は変わりました。やはり、結婚して、新たな家族ができたという経験をしたことが大きかったのかもしれません。自分を無条件に慕ってくれて、大事にしてくれる人たちが周囲にいることは、私の精神状態を安定させてくれました。一緒に生きる仲間がいることの大切さに、大人になってやっと気が付いたのです。
至らない人間なりにベストを尽くして家族を守っていかないといけん。頑張って生きていかないといけん。
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source : 文藝春秋 2015年09月号