スター揃いのライバル国に勝つ「秘策」はあるのか?
(司会 鷲田 康)
鷲田 2023年の優勝から3年、連覇を目指して野球日本代表がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に挑んでいます。前回大会で投手コーチを務めた吉井理人さん、2006年の第1回WBCに出場された里崎智也さん、日米通算906試合登板の五十嵐亮太さんにお集まりいただきました。今回はアメリカが本気を出して強力メンバーを集めており、優勝は簡単ではないでしょう。アメリカ代表といえば、今回は投手陣にサイ・ヤング賞のスキーンズ、打者は主将のジャッジをはじめ、本塁打王のローリーとシュワーバーなどを揃え、史上最強のチームに見えます。
ほかにも、ベネズエラにはメジャーMVP経験のあるアクーニャJr.や、15勝投手のルサルドがいますし、ドミニカ共和国には大谷翔平(ドジャース)以上の契約金で話題になったソトや、ワールドシリーズでドジャースと激戦を繰り広げたゲレーロJr.がいます。どうすれば彼らを打ち破って勝ち上がれるでしょうか?
吉井 選手たちにいつも伝えていることですが、一発勝負のトーナメントで初見の選手が相手では、平常心でいられません。だからこそ、「ベストじゃなくて、グッドが出ればいい」と思うことです。実は現役時代、メジャーに行って大投手のマダックスから言われた言葉なんです。渡米したばかりで、まだ英語がよくわからなかった頃でしたけれど(笑)。日本ハムのコーチ時代、大一番の試合の前に、この話を大谷にしたら、彼も「グッドですね」と共感したようでした。

五十嵐 アスリートは完璧主義者ですから、大舞台では気負いすぎて悪い連鎖反応が起こることもある。大事なのは、チームの中で自分の役割を明確にしてプレーに集中すること。近藤健介(ソフトバンク)や山本由伸(ドジャース)も「グッドでいい」と冷静なアプローチをしているように見えますね。
里崎 プロ野球選手が国際大会に参加するようになった2000年のシドニー五輪以降、日本は主要3大大会のすべてでベスト4に残っています。ベスト4から先の勝負は運も絡んできますから、ここ一番で打てるか、ミスをしないかが重要です。そのためには、アプローチの方法は人それぞれですが、「普通」のことを「普通」にこなすことですよ。優勝できるかどうかは、そこにかかっています。

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一番大事な試合は準々決勝
鷲田 まずは投手陣について話していきましょう。
里崎 優勝するためには、アメリカに渡って3月13日から始まる準々決勝からの3試合を、どんな先発陣で戦うかが重要です。球数制限があるので、勝ちきるためのローテーションを考えないといけない。
鷲田 WBCでは、投球50球以上で中4日、30球以上もしくは2試合連続登板で中1日あけないとダメです。つまり、準々決勝で先発してしまうと、決勝では投げられません。
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