がん転移を告知されて一番大変なのは「誰に伝え、誰に隠すか」だった

僕の前立腺がんレポート 第2回

長田 昭二 医療ジャーナリスト

電子版ORIGINAL

ライフ 医療 ヘルス

ステージ4のがん患者となったベテラン医療ジャーナリストが読者に伝えたいこととは――。手記「医療ジャーナリストのがん闘病記」(文藝春秋2023年7月号)が大きな反響を呼んだ長田昭二氏(57)が、「文藝春秋 電子版」オリジナル連載で、自身の病をレポートする。

告知されたとき、人はどんなリアクションを取るか

 2年前の6月24日、僕は前立腺がんが背中の胸椎と肺に転移していることを告知された。翌月に受ける予定の前立腺がん摘出術の術前検査で見つかった転移だ。

 それ以前の組織検査で、がんの悪性度を測る「グリソンスコア」が10点満点中の8点と高く出ていたので、いずれ転移する危険性はあると覚悟はしていた。

 でも、その時点では手術を受ければとりあえずはがんも無くなると考えていたので、告知を受けたときは驚いた。驚きはしたが、悲嘆に暮れることもなかった。

 そもそも、がんの転移を告知されたとき、人はどんなリアクションを取るのだろう。

 昔のドラマならカッと目を見開いて驚き、落胆ののちによよと泣き崩れ、医師が差し出すティッシュペーパーの箱からティッシュを2~3枚引き抜き、涙を拭いて鼻をかむ……という流れが一般的だった。

 しかし、これはちょっと芝居臭い(芝居なのだが)。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

初回登録は初月300円

月額プラン

1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
雑誌プランについて詳しく見る

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 電子版オリジナル

genre : ライフ 医療 ヘルス