「秋元がインフルエンザに罹患しまして……」
秋元康の秘書から電話があった。おいおい、また、連載を飛ばすつもりか? 気色ばんで、「“連載”ってのは、続けて掲載されるから、“連載”なんだよ。今月号は、出るのか出ないのか、歳食って、便器の前で出るんだか、出ないんだかわからないオシッコを待つような時間はねえんだ」と啖呵を切ろうとしたら、秘書が申し訳なさそうに言った。
「インタビューはお受けするそうです、お電話で……」
「えっ? 電話? 今どき? どうせなら、ZoomとかマイクロソフトのTeamsとか、リモートじゃダメなんですかね?」
「さあ……メイクする時間がないからでしょうか?」
秘書は至って、真面目である。今まで、リモート会議のたびにメイクしてたんか〜い? 送話口を手で覆いながらツッコミを入れた。と言ってもiPhone 14 Proの送話口がどこにあるのかわからなかったので、ただ液晶画面を手で隠しただけなのだが……。
そんなわけで、インタビュアーの僕は、文藝春秋社の会議室にいる。月刊「文藝春秋」の編集部のアルバイトに、iPhone 14 Proでの電話の録音の仕方を教わって、スタンバイ完了だ。約束した時間に、秋元康から電話が掛かってきた。
「また、今月も落とすと思った?」
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source : 文藝春秋 2024年4月号