指定された都内のホテルの一室に行くと、“秋元康”が「よろしくお願いします」と頭を下げながら迎えてくれた。イメージより、腰の低い人だなと思った。それに、テレビで見かける“秋元康”ほど、太ってはいないんだなと思った。そのことを伝えると、「よく言われます」と彼は笑った。「僕は、毎日、飽食の日々を送っていて、そのせいで相当、太っていて、態度も大きいんだろうと……。だから、実際に会うと、イメージと違うんで驚く人もいます。まあ、先入観ってそういうものでしょう」。
六本木を一望できる大きなリビングのソファーで改めて、自己紹介をしながら名刺交換をした。秋元の名刺には肩書きがなく、秋元康事務所の住所と電話番号が記されているだけだった。ICレコーダーとメモとペンを用意していると、「何か飲み物を頼みましょう」と言うので、「じゃあ、コーヒーを……」と答えたら、秋元が自ら、部屋の電話でルームサービスをオーダーした。そう言えば、この広い部屋には、“秋元康”しかいない。こういうインタビューとなると、秘書やらマネージャーやら、お付きが何人もいるものだが……。そのことを聞くと、「発言をチェックされているみたいで、やりにくいでしょう?」。サービス精神なのか、本当に人がいいのか、わからない。このインタビューで、どこまで“秋元康”の本音を引き出せるだろうか?
——まず、最初にお伺いしたいのは、どうしてこのインタビューを受けていただけたんですか?
秋元 月刊「文藝春秋」という雑誌だからですかね。こういう堅い雑誌に、僕のような軽い人間が出るのは面白いなと思って……。それに、連載する作家は、スキャンダルを書かれないという都市伝説があるじゃないですか?
——(笑)。今回の依頼は、月刊「文藝春秋」ですから。「週刊文春」とは部署が全く違いますので、何かあっても、何のお役にも立てないと思いますが……。
秋元 (笑)。存じております。「文春砲」の生みの親、新谷学さんは、「親しき仲にもスキャンダル」を信条となさっていると聞いたことがありますし……。僕たちは、そういう世界で生きてきたので、そんなことは期待していませんよ。何となく、月刊「文藝春秋」で連載するのも面白いと思っただけです。
——秋元さんは、軽い人間なんですか?
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source : 文藝春秋 2023年8月号