犯人逮捕を喜ぶはずの遺族の周辺から「結末に納得がいかない」との声が……

平成凶悪事件と「その後」 平成15年 福岡一家4人殺人事件篇 第1回

小野 一光 ノンフィクションライター

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ニュース 社会

日本を震撼させた平成の凶悪事件。事件後に流れた歳月は犯人・遺族の心境にどのような変化をもたらすのか。ノンフィクションライター、小野一光が現場を歩く。今回は「平成15年 福岡一家4人殺人事件」篇の第1回(全4回)。

 事件から20年――。

 被害者一家4人の遺骨は、父方と母方で分骨されている。

 父方のものは福岡県福岡市東区に位置する菩提寺の敷地内にある納骨堂に家族4人が、母方のものは同市中央区の霊園にある墓に、父親を除く家族3人が一緒になって眠っているのだ。

 私は東区にある菩提寺については、2004年6月の一周忌に続いて、15年6月の十三回忌でも訪ねており、今回は8年ぶりの訪問だったが、中央区にある霊園については、このたび初めてその存在を知り、探し出すことができたことから、墓前で手を合わせた。

手錠とダンベルに繋がれた遺体

 すべては、03年6月20日午後2時25分に、福岡市東区にある箱崎ふ頭の海中で、足を上にして逆さの状態で浮遊する遺体を、通行人が発見したことに始まる。

 それは成人女性で、右手の手首には手錠がかけられ、鉄製の重りに繋げられていた。そこで機動隊のアクアラング隊が投入され、海中を捜索したところ、夕方までに手錠とダンベルで繋がれた成人男性と女児が、さらに手錠とダンベルで繋がれた男児が発見された。

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