49歳「若手のホープ」に覚悟を問うた
岸田政権の支持率が低迷する中、自民党の政党支持率も過去最低水準に落ち込んでいる。だが、そんな状況でも党内若手から執行部批判や改革を求める声はほとんど聞こえてこない。次世代を担う議員は、岸田政権の行く末をどう捉え、党存亡の危機にどんな未来を描いているのか。
小林鷹之氏(49)は当選4回ながら岸田政権で経済安全保障担当大臣を経験し、党内から「若手のホープ」として名前が挙がる。秋の自民党総裁選への出馬も取り沙汰される小林氏に、評論家の宮崎哲弥氏と政治ジャーナリストの青山和弘氏が迫る。
青山 小林さんが初当選したのは2012年。これまでの政治家人生で、自民党がこんなに低迷したのは初めてではないですか。現状を率直にどう受け止めていますか。
小林 岸田政権は相応に、やるべきことは一つひとつやってきていると思っています。防衛力の抜本強化に踏み切った国家安全保障戦略の改定にはじまり、原発の再稼働発言や、最近では4月訪米時の議会演説は現地でも非常に評価が高かった。国際社会でのリーダーシップは発揮しています。ただ、支持率が非常に低下しているのは、地元で駅頭に立った時の肌感覚と同じです。「厳しい声」を通り越して、政治に対する無関心や、冷ややかな視線すら感じるようになりました。
宮崎 こういう形で政治不信が高まっていくのは危険な兆候です。なぜここまで支持率が低迷してしまったのか、分析されていますか?
小林 やはり政治資金の問題と、その対応が大きな要因だと思います。ただ、それに加えて最近、岸田文雄総理の政策決定のあり方がトップダウンに感じることがある。それも一つのリーダーシップの在り方だと思いますが、「党内調整が足りていない」と報道されることで、国民の皆さんが批判的に見ているのかもしれないと思います。
青山 報道のせいではなくて、実際に党内調整は足りていませんよ。たとえば5月31日の政治資金を巡る公明・維新の党首との合意にしても、自民党議員の多くは知らされておらず、麻生太郎副総裁や茂木敏充幹事長も反対したまま決断された。派閥の解消にしても、もう少し党内で相談して話をつけてから実行するのが当然じゃないですか。
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