帝劇ほど素敵な舞台はない~The Show Must Go On

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今日は帝劇、明日は三越――。1911(明治44)年、プログラムに載ったフレーズが大流行し、数々の名演が繰り広げられてきた帝国劇場。2代目となる現在の建物が建て替えのため2025年3月から当面休館する。舞台に何度も上がった浜木綿子と井上芳雄が帝劇への想いを語った。

(左)浜木綿子 (右)井上芳雄

皇居に臨むカフェ インペリアル。「場内は豪奢な空間の一方で、楽屋は以前、畳部屋でした。初舞台の時から温かな雰囲気のなか、育てていただきました」と井上

華やかな大階段に立つ浜。「どの公演も、初日はとても緊張したことを思い出しました」。人情喜劇が好きという浜は長年、座長も務め、観客を大いに沸かせた

日本初の西洋式劇場が名優を生み続けた

 明治末期、日本屈指のオフィス街となりつつある東京・丸の内で帝国劇場は誕生した。発起人に伊藤博文をはじめ、各界の重鎮が名を連ねたという。現在の2代目が開場したのは1966(昭和41)年。こけら落としの『風と共に去りぬ』に出演した浜は、「帝劇は日本一の劇場です」と語る。「館内に広がる品の良さは唯一無二です。銀座に近くて、立地の良さも魅力的ですよね」。

 井上は「僕にとって帝劇はホームグラウンドです」と話す。ここで俳優としてデビューし、今や“ミュージカル界のプリンス”と呼ばれるからこそ休館前の2月の最終公演を前に「帝劇にありがとうといえるものにしたい」という。これを聞いた浜は「ここから多くのスターが育ちました。新しい劇場からもスターが巣立って欲しいです」と微笑んだ。

東宮御所などに携わった建築家・谷口吉郎による設計

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source : 文藝春秋 2025年2月号

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