「鉄道を中心としたモビリティが一軸、そしてもう一つの軸は…」JR東日本が「東京・高輪」での一大プロジェクトに込めた思いとは〈PR〉

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「鉄道を中心としたモビリティが一軸、そしてもう一つの軸は…」JR東日本が「東京・高輪」での一大プロジェクトに込めた思いとは〈PR〉

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50年後、100年後を見据えた新たな価値創造をめざして、構造改革に取り組むJR東日本。それを象徴する一大プロジェクトが東京・高輪で進行している。

「ヒト」を起点にした心豊かな社会をめざす

喜㔟陽一氏
東日本旅客鉄道株式会社
代表取締役社長

 わたしは2024年4月1日付でJR東日本の代表取締役社長に就任しました。JR発足後に採用された社員として初の社長就任ということになります。

 民営化されて37年。将来に向けてサステナブルに成長していく、そういう基盤をつくるために、わたくしどもはいまこそ構造改革を進めていかなければなりません。

 2018年、グループの中期経営ビジョン「変革2027」を策定しました。そこで、「ヒト起点」のビジネスということを打ち出しました。

 それまでは「鉄道インフラ」を起点にしてビジネスをつくってきたのですが、これからは「ヒト」を起点にして、心の豊かさ、新しい価値をつくっていこうというものです。

 それを象徴する取り組みが、いま開発中のTAKANAWA GATEWAY  CITYです。

 上野東京ラインの開通によって、もともと車両を留置する場所があった高輪に13ヘクタールの開発用地が生まれました。そのうち約10ヘクタールを活用して、100年先の心豊かな暮らしをつくるための“実験場”をつくろうというプロジェクトです。

 そこでは、さまざまなパートナーのみなさんと一緒にイノベーションの種を育てて、社会に実装していきます。社会に実装すると、新たな課題が出てくるでしょう。それをまたこの街に戻して、さらに高めて、再び社会に実装する。そういう循環をめざしています。だから“実験場”というわけです。

TAKANAWA GATEWAY CITYのロゴマーク。高輪の「高」を未来へつながるゲートのかたちに見立ててデザインした。

 “実験場”として、いま3つの大きな柱を考えています。それが「環境」「モビリティ」「ヘルスケア・健康」です。

 「環境」では、まずCO2の問題。TAKANAWA  GATE WAY CITYはCO2排出量「実質ゼロ」の街です。エリア中心部の地下に日本最大級の蓄熱槽を建設して、地域冷暖房システムとして活用します。ビル内のバイオガス設備では、飲食店などから出る食品廃棄物を活用して循環型のエネルギーサイクルをつくる予定です。

 もうひとつ大きなポイントは、水素の利活用です。水素を燃料とする車やバスはいろいろ出てきていますが、都市の基幹インフラとして水素を活用することができないか、その可能性を探りたいと考えています。

モビリティと生活ソリューションの「二軸」

 「モビリティ」でいえば、ロボットの実験場としての活用です。案内や警備、清掃、デリバリーなど、いろいろなシーンでロボットたちが活躍することになるでしょう。

 そして「健康」も大きなテーマです。ヒトが生活していくうえでの様々なヘルスケアの可能性。たとえば、Suicaに集まる移動データや物の購買データとヘルスケアデータを結びつけることによって、食事や運動などいろいろ提案できるようになるでしょう。

第1期は2025年3月27日にまちびらき。26年春に複合文化施設、レジデンスも含め街全体がオープンする予定。

 いまわたくしどもは「二軸の経営」をめざそうとしています。鉄道を中心としたモビリティが一軸、そしてもうひとつの軸が、流通・ホテル・IT・Suicaなどの生活ソリューション事業です。これらを組み合わせることで、50年先、100年先を見据えた価値創造ができると信じています。

photo(portrait):Miki Fukano
design:Better Days

source : 文藝春秋 2025年1月号