「政治とカネで信を問うのは不適切」麻生氏側近が語った“早期解散否定”の真意

「政治とカネで信を問うのは不適切」麻生氏側近が語った“早期解散否定”の真意

青山 和弘 政治ジャーナリスト、元日本テレビ政治部次長兼解説委員、東洋大学非常勤講師、青山学院大学客員研究員

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「政治とカネの問題で(総選挙で)信を問うのは不適切だと思います」

 自民党派閥の裏金問題で超低空飛行が続く岸田政権。国民の間には早期の解散総選挙を求める声も高まりつつある。しかし岸田総理による早期解散に真っ向から反対を表明したのは、自民党麻生派の中堅議員、鈴木馨祐氏だ。当選5回で将来の自民党のホープとも目される鈴木氏は、文藝春秋ウェビナーの「青山和弘の永田町未来café」に出演し、解散総選挙の行方や麻生太郎副総裁の胸の内、また河野太郎デジタル大臣の政権戦略について赤裸々に語った。

(左から)三浦瑠麗氏、鈴木馨祐氏、青山和弘氏 ©文藝春秋

岸田総理による早期解散はあるのか

 番組の中で鈴木議員は、岸田総理による早期の解散総選挙には極めて否定的な考えを繰り返した。

「今回の事案(裏金問題)は徐々に信頼を取り戻していく話ですから、焦りすぎると良くないと思います。また政策を間違えると(この国が)どどっと崩壊するかもしれない時期なので、やはり僕は政権交代させちゃいけない。それが一番の判断基準になると思います。衆議院の任期はまだ1年半あるので、そこまでの間に現状の課題に対してどういう解決策でよりリスクを減らしていくのかをきちんと示して、それを理解してもらえる冷静さを国民の皆さんが持てる時期が、僕は解散する時期だと思います」

 しかし自民党に組織的、継続的な裏金問題が発覚して、このまま政権を担い続けていいのか、一度選挙で国民の審判を仰ぐのが「憲政の常道」ではないか。この点を筆者が問うと、鈴木氏は真っ向から反論した。

「我々は命も含めて国民の生活を背負っている。そういうことに直結するから信を問う必要があるわけですよね。政治資金の不記載の話が国民の生活と日本の運命をかけるような話かというと、僕は違うと思うんです」

鈴木氏 ©文藝春秋

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